6月10日、巨人は米マイナーリーグでプレーしていた山口俊投手(33)との契約を発表した。2019年に巨人で最多勝、最高勝率、最多奪三振の投手3冠に輝いた元エースの出戻りは、首位・阪神に大差をつけられたチームを救う起爆剤になるかと思いきや、番記者たちの評価は低い。
「原(辰徳)監督は『先発の中に入ってくれれば』と期待するが、山口は昨年メジャーで2勝しか挙げられず、今年はマイナーリーグで5試合投げて0勝3敗、防御率6.17と絶不調です。しかも今年はメジャーでの2年7億円の年俸が保証されるため、ハングリー精神に欠ける。以前のような活躍は期待できないとの評価も多く、日本復帰の際に手を挙げたのは巨人だけでした」(巨人番記者)
山口不在の間に巨人のチーム事情が様変わりしたことも不安要素となっている。とりわけ心配されるのが、桑田真澄・投手チーフコーチ補佐との関係だ。
「山口の酒癖の悪さは有名で、2017年には酒に酔った状態で訪問した病院で警備員にケガを負わせるトラブルで騒がせたこともあった。規律を重んじる“風紀委員長”の桑田コーチとの衝突を球団関係者は恐れています。
投手の精神面のフォローが主な仕事の桑田コーチは、打たれた投手にベンチで懇々とアドバイスしますが、説教に聞こえるようで嫌がる選手もいる。良好な関係だった菅野智之(31)も右ひじを故障してから桑田コーチと距離を置いている」(同前)
菅野と山口との関係も良好とは言えない。
「菅野は『野球に対する姿勢が違う』と、山口とはほとんど口も利かない関係でした。昨オフに菅野がメジャー交渉をした時、移籍先として候補に残ったのが当時山口が所属していたブルージェイズだったが、金額面が折り合わなかっただけでなく山口とチームメイトになりたくなかったのも断念した理由と囁かれたほど。山口、桑田コーチ、菅野の不協和音が広がれば、阪神追撃は絵に描いた餅になる」(同前)
それぞれ輝かしい成績を挙げた新旧Gエースの“3本の矢”は、束になると脆さを露呈しそうだ。
※週刊ポスト2021年7月2日号