6月13日、全国初となるコロナワクチンの「職域接種」がANAホールディングスで実施された。本来は21日からだったが前倒しされ、14日には日本航空も接種を始めた。
職域接種は自治体の負担を軽減し、より多くの人の接種を進めることが主な目的だ。政府はまず1000人以上の企業や大学を対象に21日から接種を始めるとしたが、6月3日には菅首相が経済3団体の代表に職域接種への協力を要請するなどしていたため、一部の大企業は8日の受付開始前から体制を整えていた。
しかし一部からは、「打てるのは正社員だけなのか」「契約社員やアルバイトは後回しか」という懸念の声も聞かれる。そこで有名企業の接種計画を取材し、表に示した。
対面販売などで顧客と接触するソフトバンクグループ、NTTドコモ、KDDIなど携帯各社は現場のショップ店員まで対象としたが、他業種では各社で対応が分かれた。
読売新聞は“五輪の記者優先”
航空業界は日本航空が「契約社員やパートなど非正規社員まで雇用形態を問わず対象」としたが、ANAホールディングスは「契約期間が短期のパートやアルバイトは対象に含まれず、今後どうするかは未定」だという。
同様に鉄道業界でも東急グループは「パートやアルバイトを含む」が、多くの駅ビルやキオスクを運営するJR東日本はパート、アルバイトは「対象外」と分かれた。
職域接種を報じる大手メディアは実施の有無を公開していない。多くが「検討中」「準備中」との回答だったが、読売新聞は14日から接種を始め、「東京五輪を取材する記者、カメラマンらを早期に接種」と回答。これも五輪スポンサーの責務ゆえか。