東京五輪開催まで1か月余。IOC(国際オリンピック委員会)が「有観客」開催に向かうなか、決断に二の足を踏む政府、大会組織委員会。煮え切らない状況が続いている。
6月15日、IOCのジョン・コーツ東京大会調整委員長が来日し、いよいよ東京五輪の開催は最終段階に入った。国内はおろか、米「ニューヨーク・タイムズ」や仏「ル・モンド」など海外有力メディアも開催について否定的に報じるなか、各会場では着々と準備が進められている。しかし、作業現場からは戸惑いの声が聞こえてくる。有明地区の競技場で働く40代の作業員は、諦め気味に語る。
「何もかもはっきりしないから、正直、ひょっとしたら(開催が)なくなるかもって気持ちもあるよね。でも、仕事があるだけいいよ。飲食店さんなんて、今、大変じゃないですか」
前述のコーツ氏は「私は(観客を)見たい」と口にした。いまだ観客を入れるのか、入れないのかすら定まらぬまま、緊急事態宣言中の炎天下の作業は続いている。果たして、どんな“レガシー”が残るのか。
そんな状況下で準備が進む競技会場を上空と地上から眺めてみると、さまざまなものが見えてきた。その一部を紹介する。
潮風公園(品川区)
お台場の海上には、昨年末に再設置された五輪モニュメントが浮かぶ。上方の潮風公園の中には、仮設で整備されたビーチバレーボール会場が見える。
有明アーバンスポーツパーク(江東区)
1年前は雑草が生い茂っていた自転車競技やスケートボードの競技会場も、現在は整備され5月にはお披露目もされた。数台の重機が確認できるコース内は、雨よけのシートがかけられている。