紛失防止タグが、例えばストーカーに悪用されるリスクはあるのか。ITジャーナリストの三上洋氏は、AirTagについて「残念ながら、現状ではAppleのストーカー対策はパーフェクトではない」と指摘する。
「AirTagは親機から一定時間離れると警告音を鳴らすシステムになっているのですが、発売当初、その設定は3日後になっていました。3日あれば、悪意を持った人間に居場所を特定されてしまいますよね。そこでAppleは6月4日にアップデートを実施し、8〜24時間のうちランダムに警告音を鳴らす設定へと変更したと報じられています。とはいえ、8〜24時間でも十分不安は残ります。しかも警告音はあまり大きなボリュームではないため、鳴っていても気づかない可能性があります。
AirTagを仕掛けられた本人がiPhoneユーザーであれば、不明なAirTagが傍にあることをiPhoneが通知してくれます。しかし逆に言うと、その人がiPhoneユーザーでない場合は、警告音が鳴るまでわかりません。AirTagが悪用される危険性は、アップデートによって軽減されたけれども、ゼロになったわけではないというのが結論です」
前出の山本氏は番組の中で、差し入れとして例えばぬいぐるみの中に仕込まれてしまうと、気付くことができないと指摘している。
三上氏によると、AirTagを悪用したストーカー被害を防ぐためには、「不審な荷物は、1日以上は自宅以外の場所に置いて様子を見る」「iPhoneを使って、不明なAirTagが検知されないか調べる」といった方法が有効だという。