魚の「良質な油」は3~4割だけ
“朝のフルーツは金”とうたわれるのに反して、4位には「果汁100%ジュース」が、6位には「果物全般」がそれぞれランクイン。内科医の山本佳奈さんはフルーツジュースと糖尿病の関連を指摘する。
「果物をジュースに加工する過程で食物繊維が取り除かれているため、糖分の体内への吸収が速くなる恐れがあり、血糖値が上がりやすい。実際、フルーツジュースを毎日1杯以上飲む人は、新鮮な果物を食べている人より糖尿病のリスクが増加していたという報告もあります」
果物そのものの弊害を強調するのは、西脇さんだ。
「生活習慣病やがん、認知症などあらゆる病気の原因となるのが、糖質の摂りすぎによる慢性炎症です。果物に多く含まれる果糖は、糖質の中でも最も慢性炎症を起こしやすいといわれています」
実際、カリフォルニア大学の研究によれば、果糖を多く摂取すると、記憶力が低下するというデータもある、女性医療専門医の関口由紀さんは、特に柑橘類の食べすぎに注意を促す。
「ビタミンCが豊富で体にいいとされていますが、漢方では“体を冷やす”とされ、冷え症の人には推奨できない。また、果汁によってのどや腸内の粘膜が刺激されるため、西洋医学では喘息やアトピーなどのアレルギーの症状が悪化するケースがあるともいわれています」
良質なたんぱく質として食卓に取り入れることを推奨される魚についても、疑問視する専門家は少なくなかった。
「血液サラサラ効果があるとされるEPAやDHAなど魚が含有する良質な油は3〜4割程度。残りの油分は肉と一緒の成分です。つまり、“体にいいから”と脂の多い魚や部位を必要以上に食べてしまえば脂質を過剰摂取することにつながり、むしろ動脈硬化のリスクが高まります」(佐々木さん)
特に3位の「まぐろ」には多くの票が集まっている。医師の成田亜希子さんは「メチル水銀」の危険性を指摘する。
「まぐろが含有するメチル水銀を一定以上摂取すると、脳や脊髄などの中枢神経にダメージを与えることが明らかになっています。特に妊娠中は胎児に影響がないよう、注意が必要とされています。ほかの魚にも同様の危険性はありますが、特に大型魚のまぐろは、メチル水銀が体内に蓄積しやすいのです」