現役時代は“大ちゃん”の愛称で親しまれた元大関・朝潮が相撲協会を去ることになった。先代・高砂親方として大関・朝乃山らを育て、昨年12月に65歳を迎えて再雇用となった後は、名跡交換して錦島親方となっていたが、規則違反の外食を繰り返していたことが発覚。退職届を提出することとなった。
「きっかけは5月場所中に発覚した朝乃山のキャバクラ通いです。調査の過程で、先代師匠である朝潮さんが、娘らとの食事に朝乃山を同席させるなど、会食を繰り返していたことが判明した。誤魔化しきれないと観念した朝乃山は正直にすべてを話したそうで、結果として朝潮さんは弟子に“チクられた”格好になった。
とはいえ、出歩いていることは親方衆の間でも知られており、5月末にはYouTubeで角界の内幕を告発している元・貴闘力も言及していた。身から出た錆でしょう」(若手親方)
今後、注目されるのは元・朝潮が権利を持つ年寄株「錦島」の行方だ。もともとは、近畿大学の後輩でもある朝乃山が継ぐと見られていたが、先行きは不透明だ。
「退職後も3年間は継承者を指名する権利があり、朝乃山を指名する可能性が高い。ただ、今回のキャバクラ通いを受けて協会が朝乃山への継承を認めるか分からなくなった。再び大関に返り咲くぐらい活躍しなければ、認められない可能性がある。1年の出場停止だから番付は三段目まで落ち、幕内に戻れるのは最短でも2年後。30歳手前の朝乃山には厳しい道のりです」(ベテラン記者)
角界で不祥事が相次いで発覚していることの背景には、105しかない年寄株が不足しているという事情も見え隠れする。