女優・深田恭子の病気降板により、7月スタートの連続ドラマ『推しの王子様』(フジテレビ系)の主役を比嘉愛未(35)が務めることになった。比嘉といえば、2007年のNHK朝ドラ『どんど晴れ』のヒロインや、『コード・ブルー』(フジ系)のフライトナース役などで知られる。ドラマオタクのエッセイスト・小林久乃氏が「代役が成功した事例」を振り返った。
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そろそろ夏ドラマが始まろうとしている。奇しくも放送前からメディアの話題に上がったのが、7月スタートの『推しの王子様』(フジテレビ系)だ。
6月上旬に突然、マスコミに発表された深田恭子の、適応障害による芸能活動の休業。彼女はこの作品に主演する予定だった。そして代役としてヒロインを務めることになったのは、女優の比嘉愛未だ。
こういった“代役”は、今までもかなりの数の俳優たちが経験をしている。そして、急きょ、新しい役柄に対応力を発揮して、次のステージへ進むパターンが多く見られている。今回はその一部を、テレビオタクの記憶を絞って、振り返って行こう。
代役たちが魅せた“底力”
“代役”と聞くと、一番に思い出すのは2013年の、天海祐希主演舞台・『おのれナポレオン』。7公演を残しながら、病気により降板することになってしまった。「筋肉は裏切らない」「食べたら動け」と、バラエティ番組で豪語していた彼女だったので、体調不良とは……と驚いた。たださらに驚きを増したのは、代役の宮沢りえがたった2日間の稽古で、完璧に仕上げてきたこと。観客たちは、どれほどの興奮を覚えたのだろうか。
世間を巻き込んで騒がせた代役騒動もある。2017年に突然、新興宗教へ出家した清水富美加(現・千眼美子)が映画『東京喰種 トーキョーグール』の続編を降板。その代わりに山本舞香が好演した。今や彼女は演技だけではなく、元ヤンキャラをぞんぶんに生かして、バラエティー番組でも引っ張りだことなっている。