東京五輪は職員(臨時含む)もボランティアも、まったく足りていないらしい。2月に組織委員会トップだった森喜朗氏が、日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会で女性差別発言をしたことが明るみに出て、ボランティア辞退者が続出。その後、募集されているボランティアと業務内容がそっくりな求人が複数の応募サイトに掲出されていると話題になった。俳人で著作家の日野百草氏が、ボランティアではなくアルバイトに内定している大学生に、東京五輪に期待することを聞いた。
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「オリンピック、みんな悪くいいますけど、僕は楽しみですよ」
神奈川県に近い東京都下の繁華街、大学生の島木悠太さん(仮名、20歳)と出会ったのもやはり、ウーバーイーツ配達員の取材であった。いまや街中で見かけるフードデリバリーの配達員、コロナ禍の不況に後押しされ、日本でも欧米型のギグ・エコノミーが当たり前になってしまった。
「やってみたかっただけです。学生のうちからいろいろ経験したい、それだけです」
ウーバーに限らずフードデリバリーのギグワークは多種多様、ごく一部の稼ぎまくる「スーパー配達員」を除けば、年齢関係なくそれぞれに事情を抱えて生きていくのにやっとの配達をこなしているが、島木さんのような若い人の中には興味本位にやってみた、ちょっと面白そうだからという人も多い。
「はい。自転車一台あれば登録するだけですからね」
島木さんは都内の私立大学生。北陸から上京、十分ではないが仕送りはあり、アルバイトをしなければ生活できないというわけでもないという。それでも大学は全面的な対面授業再開までには至っておらず、暇を持て余す部分もあるとのこと。
「だからやってみたんですけどウーバー、こんなに金にならないなんてね、はした金です。やっぱり普通にバイトして、決まったお金を貰ったほうがいいですね」
実際、島木さんはウーバーで稼げてはいない。声を掛けたのも注文が来そうな店の前でうずくまる、いわゆる”地蔵”を長々としていたからだが、一概には言えないにせよ、ウーバーもいまどき地蔵だけでは稼げなくなっている。
「早くオリンピックのバイトに入りたいです」