芸能

山下達郎は写真と音声のみでTV出演 アーティストの“NG事情”の今昔

日本映画専門

『日本邦画劇場』公式HPには山下の写真と共に(音声出演)の文字が

 シンガーソングライターの山下達郎(68歳)が、日本映画について熱く語る――。7月4日放送の『日曜邦画劇場』(日本映画専門チャンネル)に出演して、自身が影響を受けた名作についてトークを展開するのだが、山下は写真と音声のみでの出演なのだ。山下が語る内容とは? そしてアーティストの“テレビNG”“顔出しNG”などはどう変わっていったのか? コラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 山下達郎久々のテレビ出演!ということで注目の7月4日放送の『日曜邦画劇場』(日本映画専門チャンネル)。しかし、その内容にはびっくり。山下達郎は、写真と音声のみの出演なのである。テレビなのに!?

 出演のきっかけは、この日、放送開始20周年&放送1000回を迎えるこの番組が、その記念としての戦前の名作『人情紙風船』(1937年)を4Kデジタル修復版で放送すること。かねてよりこの作品を「人生の一本」として、何十回も見たという山下が、本編終了後に番組の劇場支配人である軽部真一と映画の魅力などを語ることになったのである。

 そのトークの内容にもびっくり。そもそもこの映画は、歌舞伎の「髪結い新三」をもとに、髪結いの男と浪人、二人の男を軸に、貧乏長屋で首つりがあったことから始まる庶民のたくましさ、弱さなど、さまざまな人間と人情を描いた時代劇。

 新三を演じたのは、前期のドラマ『イチケイのカラス』に出演していた中村梅雀の祖父・中村翫右衛門。28歳の若さで戦地で病没し、夭折の天才といわれる山中貞雄監督の遺作だ。池袋生まれで映画好きの両親の影響によりたくさんの映画を観たという山下は、自ら古書店で探した当時の映画雑誌『キネマ旬報』を持参、脇役の俳優の名前を調べるなど、凝り性ぶりを発揮した。この映画をきっかけに戦前の名作を追いかけ、そこから生まれたオリジナル曲もあるという。音声だけなので、当然のことながら気分はラジオですが。

 思えば、山下の人気が出た頃、浜田省吾、大瀧詠一などラジオには出るが、テレビに出ないアーティストはたくさんいた。松山千春が、1978年に初めて『ザ・ベストテン』に出たときは大騒ぎだった。その後、バラエティにも出るようになった松山はじめ、時折テレビに出る大物も増えたが、平成の後期には音楽番組の数も減り、ネット環境が整ってみれば、アーティストをテレビで見たいという渇望感が薄れてきた気もする。

 しかし、テレビだけでなく、さまざまな映像があふれる今、顔出しNGのアーティストがたくさんいることは、なかなか興味深い。去年、GReeeeNが「紅白歌合戦」に出るというので、いったいどうなるのかと思ったが、結局、素顔は出さないまま。テレビ離れといわれる若い世代の心をつかむヨルシカ、ずっと真夜中でいいのに。Ado、yamaも顔を見せない。謎だらけ。それでも楽曲の人気はすさまじい。

関連記事

トピックス

天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン