スポーツ

アントニオ猪木から前田日明へ「舐められたらキメてしまえ」

前田日明氏がアントニオ猪木の訓示を振り返る(時事通信フォト)

前田日明氏がアントニオ猪木の訓示を振り返る(時事通信フォト)

 師の教えは脈々と弟子に受け継がれていく。時を経て真意がより深く理解できるからこそである。格闘家・前田日明氏が、アントニオ猪木からかけられた言葉を振り返る。

 * * *
 もともと空手をやっていて、新日本プロレス営業本部長だった新間寿さんにスカウトされ、「米国でモハメド・アリの弟子にしてやる」と口説かれた。米国で生活したいという夢もあったので入門を決めました。自分がプロレスラーになるなんて考えてもいなかった。

〈1977年に新日本プロレスに入った前田は、当時人気実力ともに絶頂だった猪木の付き人になる。1984年に新日本プロレスを離脱し、新団体UWFへの移籍を発表。異種格闘技戦でも無類の強さを発揮し「新格闘王」と称された〉

 佐山聡さん(初代タイガーマスク)が付き人をしていたんですが、『格闘技大戦争』というキックの試合への出場が決まり、その練習に専念しなければならないということで、右も左もわからないまま、入門間もない自分が付き人になりました。1日の仕事を口頭で教えてもらっただけで、何をすればいいのかもわからない。細かい失敗はいっぱいしましたが、猪木さんはまったく怒らなかった。怒鳴られた記憶もありません。

 入門して2か月目に猪木さんとスパーリングする機会があって、「何でもやってこい」と言われた。『空手バカ一代』の中で“プロレスラーには目突きと金的攻撃だ”と描かれていたので、その調子でかかっていったら、先輩レスラーにこっぴどく怒られました(笑い)。

 それからプロレスラーとしての修行を積み、1年ほどしてデビュー。試合後、新間さんに「アリの話はどうなりました?」と尋ねたら、「なんの話だ?」と完全に忘れられていた(苦笑)。

 猪木さんは試合や練習態度については厳しかったですね。プロレス八百長論なんかが言われていた時代で、猪木さんと新日本プロレスが矢面に立って戦っていた。だから猪木さんは、

「新日本プロレスは技と力をぶつけ合う競技になっていく。お前たちは実力をつけなくちゃダメだ」
「外国人レスラーが舐めたことをしてきたら、構わないからキメてしまえ」

 とよく言っていました。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン