誰もが夢見るもけど、なかなか現実にならない“馬券生活”。「JRA重賞年鑑」で毎年執筆し、競馬を題材とした作品も発表している作家・須藤靖貴氏も、馬券生活を夢見る一人だ。そんな須藤氏が、万馬券ゲットのために、大活躍中のフランスからの騎手クリストフ・ルメールについて研究、“戻りルメール”について考察する。
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ルメールの新馬戦について。JRA-VANのTARGETを使い、さらに2019年からのデータを取ってみた。
騎乗182回で1着50回。これまで勝てなかったレースについて勘案したわけだが、しっかりと勝ち切った50頭に目を向けた。陣営も鞍上もそしてもちろん馬も万々歳の好スタート。その馬の成長ぶりを知りたいのだった。
ルメールが引き続き乗ったのは24頭。2走目の乗り替わりは21頭だった(未走5頭)。連続騎乗にはサトノレイナス、キングストンボーイ、グレートマジシャンら気鋭が嘶く。ちなみにディープ産駒のグレートマジシャンは2勝して毎日杯(2着)に臨んだあと、4走目のダービーでは戸崎に乗り替わっている(4着)。次は誰が奇術師を操るのか。大注目だろう。
そう、乗り替わりを見ていくと面白いのである。騎乗には大人の事情がつきものではあるものの、ルメールが新馬戦で跨り、乗り替わられた馬のその後のイメージは芳しくなさそう。「ルメールの乗り捨て」なるキーワードもあるようだし。
乗り捨て(再騎乗なし)は50頭中18頭。その後勝ったのは7頭。たとえばフィードバックは田辺と横山典で3勝している。まるで馬券に絡まないでいるのは10頭。
では再騎乗はどうか。戻り鰹ならぬ「戻りルメール」だ。名手が久々に手綱を取る。なんだか妙味の気配プンプンである。
新馬で勝った馬が別の鞍上を経て戻ってくる。そんな馬は12頭いた。そのときのレースの首尾は、1着3頭、2着4頭、3着1頭だった。複勝率.666。その期間でのトータルの複勝率が.536なので、戻りルメールは美味しいのである。
好例をいくつか。スルーセブンシーズは2走目に戸崎が乗って3着。しかし3走目に戻って勝った。ただし次のオークスは再び戸崎。そのオークス、ルメールはアカイトリノムスメ騎乗で2着でしたね。