「東京五輪は観客有りで開催される。そうなると、いよいよ鍵を握るのは雅子さまだ──」。いま、こんな話が外務省関係者の間で囁かれている。五輪は各国の首脳やリーダーにとってみれば、外交の大舞台。アメリカ政府が、バイデン大統領夫人の派遣を予定しているのをはじめ、各国から要人が集結する。
当初、政府は来日する首脳クラスの一行は最高12人まで、という人数制限を課していたが、6月に入ってから急に最高40人までに拡大させた。それだけ重視されるのが“五輪外交”なのだ。
「その分、ホスト国である日本側にもそれ相応の格式の高い接遇が要求されるし、高度な外交技術も必要になってくる。そこで、国際経験が豊かで語学が堪能な雅子さまへの期待が外務省内で高まっているのです。バイデン米大統領夫人を“日本びいき”にできるのも雅子さまだけでしょう」(外務省関係者)
もちろん、開幕まで1か月を切ったいま頃には、官邸からも外務省からも、宮内庁には“両陛下のスケジュール”の確認が殺到しているはずだ。土壇場での異例の開催決定なだけに、それも急ピッチで。そのことを踏まえると、超異例といわれた宮内庁長官の発言が、新たな意味合いを帯びてくる。
「国民の間に不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されている、ご心配であると拝察をいたします」
6月24日、宮内庁の西村泰彦長官は定例記者会見で、突然、しかし淡々と語った。この発言は波紋を広げ、菅義偉首相、加藤勝信官房長官、丸川珠代五輪担当相が、ただちに「宮内庁長官ご自身の考えを述べられたもの」と口を揃えたが、国内外のメディアはこれを大きく取り上げた。
雅子さまへの思い
雅子さまは、4月以降、連続して、予定されていたお出ましを欠席されていたこともあった。
「以前と比べ、お元気な様子を目にすると忘れてしまいがちですが、雅子さまはいまも完全に快復されているわけではありません。昨年12月には、医師団も《皇后陛下には、依然として御快復の途上にあり、御体調には波がおありです》と見解を発表している。
それでも、“国民とともに”とお考えになる雅子さまは、観客を入れての大会が開催されるのであれば、陛下と共に現地に足を運びたいとお考えになるでしょう。そうしたお気持ちは、新たなプレッシャーになりかねません」(皇室記者)