1980年に放送されたテレビドラマ『3年B組金八先生』第2シリーズは、校内暴力が主要テーマとして描かれていた。全国の中学校で問題となっていたからだが、その対策として、生徒のあらゆる在り方を決めて従わせる管理教育が各地で勃興した。だが、目的が不明な規則が多数だったことから社会的批判を集め、それは廃れた……はずだったが、2021年春、体操服の下は肌着禁止という一部地域のブラック校則が全国に知られたことで、妙な進化を遂げた校則が全国に存在すると明らかになった。俳人で著作家の日野百草氏が、「校則」で下着を決める中学校の現在について、JC(女子中学生)の娘を持つ母親に聞いた。
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「うちの地域も白パンツ指定ですけど、ワンポイントくらいなら大丈夫ですよ」
のっけから一体何の話か驚くだろうが、なんとこれ、中学生女子の下着の話。筆者と長いつき合いの女性漫画家、kuniママさん(40代・仮名)が電話口で教えてくれた。
「学校にもよるし娘いないと知らないかもですけど、うちの中学はブラとパンツの先生チェックがあるんです」
てっきり漫画の話かと思ったらリアルの話。kuniママさんはティーンズラブも描いているのでありえない話ではなかったが、なんと中学生になる娘さんのリアルな話。教師の下着チェックなど論外なのは当然だが、ワンポイントとはどういうことか。
「下着は白って決まっているんですけど、うちの中学はワンポイントでリボンとか模様とか、ちょっと入っている分にはオーケーなんです」
実はこの話、ずいぶん前に打ち合わせ途中のよもやまで聞いたのだが、昨今のいわゆる「ブラック校則」問題を取り上げるべく再度、電話インタビューをお願いした次第である。筆者には子どもがいないため、仕事がら付き合いのあるベテラン女性漫画家やイラストレーターの子育てネタは重宝している。
「厳しい学区だと上下純白みたいですけど、あれ思いっきり透けますね」
白い服に白の下着は透ける。これはアパレル関係者なら当たり前の話だが、学校関係者の一部はいまだに「白に白は透けないから白」らしい。昔のおじさんが白のワイシャツだからと白のランニングシャツで余計に透けてしまい「月の輪おやじ」と揶揄されたアレみたいなものだ。思春期の女子にすれば恥ずかしいことこの上ない。