東京都内でのコロナ感染者のリバウンド増加が続く中、五輪開幕に向けたカウントダウンが進む。週末の繁華街の人出はすっかりコロナ前に近い状態に戻り、路上喫煙や路上飲酒が問題視されている。このまま五輪に突入したらどうなってしまうのか──。ジャーナリストの山田稔氏が現場レポートする。
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6月20日に緊急事態宣言が解除されて以降、再び新型コロナの感染者数が増えている東京。週末の繁華街を訪ねてみると、路上喫煙や路上飲酒をする若者などで溢れかえり、無秩序な状態となっている。
若者の街・渋谷では、駅前のスクランブル交差点やセンター街はすごい人出となっており、若者を中心にカップル、グループ、買い物客などがひしめいている。かつて一世を風靡したガングロを彷彿させるような金髪で日焼けしたギャルの姿もある。道行く人はみなマスク姿だが、数人の若者はマスクさえもしていない。
公共喫煙所閉鎖で横行する「ポイ捨て」
交差点近くにある公共喫煙所は閉鎖されたままである。「クラスター対策として、当面の間、この喫煙所は閉鎖いたします」との掲示がある。パーテーションの喫煙所の文字はガムテープが貼られ、見えなくなっている。
そんな閉鎖喫煙所の周辺で、多数の人々が堂々と喫煙中だ。紙巻きたばこ派、加熱式たばこ派、それぞれが思い思いに喫煙している。アジア系外国人のグループもいる。
足下をみるとポイ捨てされた無数の吸い殻と飲み終えたペットボトルが散乱している。しばらくたつと清掃員がやってきてこれをきれいにしていく。そして、清掃員がいなくなると再び喫煙者が方々から現れ、ポイ捨てが始まる。まさにいたちごっこである。
次に池袋へ移動する。東口五差路交差点にあった2か所の公共喫煙所は撤去されていた。周辺で喫煙する人はいない。4月下旬にいったん閉鎖されたものの最近閉鎖が解除された駅前の喫煙所に向かうと、そこには50人ほどの喫煙者が群がっていた。
パーテーションには「人との距離を1m以上あける」「向かい合って喫煙しない」「会話・電話等は控える」といったルールが掲示してある。そして喫煙所内の床面には「SOCIAL DISTANCE 皆様のご協力をお願いします」の文字とともに足形のマークが描かれている。
大半の人はルールを守り、足形の上で喫煙しているが、喫煙所内の人が多過ぎて距離を取れていない人たちも見かける。2か所の公共喫煙所が閉鎖されたことで、この喫煙所に集中してしまっているのだろうか。
ベンチや手すりに腰かけて人々が憩いのひと時を過ごしている中池袋公園(ハレザ池袋)には「夜間の飲食・飲酒は、ご遠慮下さい」の立て看板が掛けられていた。
公園周辺の飲食街をぶらついて驚いた。「24時まで営業中 お酒提供中」とか「営業時間延長! 23時まで!」と堂々と表示している店があるではないか。緊急事態宣言は解除されたが、「まん延防止等重点措置」が適用されているので、酒類提供は午後7時までのはず。もはやお上のいうことには耳を貸さないということか。