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ダイエット中でも、フルーツなら罪悪感がないからと気にせず食べていないだろうか。それではやせないどころか、危ない病気になるリスクも。さらに、安いからと店頭で手に取った輸入フルーツは、海外では食べられていない“禁断の果実”の恐れもあるという──。
千葉県に住む主婦の大山幸恵さん(仮名・51才)が、こんな悩みを明かす。
「野菜があまり好きではない私は、50才を過ぎてから健康を考えてフルーツをたっぷり食べることにしたんです。最初の頃は肌の調子もよくなった気がしたのですが、夏になってもつま先が氷のように冷たい“万年冷え症”になりました。その上、体重も増える一方。さらに先日、職場の健康診断で中性脂肪の値が高かったため再検査を受けたのですが、医師から『フルーツの食べすぎが原因』と指摘されました」
フルーツは自然の恵みであり、ヘルシーで体にいいもの──そう考え、積極的に食べようとする人は多い。昔から、「1日1個のりんごで医者いらず」といわれてきた。そのゆえんについて、管理栄養士の望月理恵子さんが解説する。
「フルーツを適量食べると、まったく食べない人よりも死亡率が低下するという研究結果が出ています。また、大腸がんや胃がんの予防になるという報告や、糖尿病リスクを下げるとの論文もあります」
野菜不足が進む日本人にとって、フルーツは足りない栄養素を補う貴重な栄養源。だが、冒頭の大山さんのように“食べすぎ”が逆効果となることもあるという。
「フルーツには野菜には少ない果糖などの糖類や、美容にいいとされるクエン酸やリンゴ酸などの有機酸が多く含まれています。ビタミンCや食物繊維も豊富なため、野菜が不足している人にはフルーツを食べることは有効です。
ただし、野菜にはビタミンCと食物繊維はもちろん、ビタミンKやE、葉酸など、より豊富な栄養素が含まれます。また、野菜は噛んで食べるものが多いのに対し、フルーツはあまり噛まなくても食べられるものが多い。さらに、野菜を食べすぎて肥満になることはほぼありませんが、フルーツは食べすぎると果糖によって中性脂肪が増加し、脂質異常症、脂肪肝になるといったリスクは否めません」(望月さん)
野菜とフルーツは同じ植物由来のため混同しがちだが、フルーツを「野菜の代わり」にするのはどうやら間違いのようだ。そして、“適量”を超えたフルーツの過剰摂取は、思いがけない病気の引き金となる。
果糖がシミやしわを増やす
もし、あなたがやせたいのなら、デザートにフルーツを食べる習慣は見直した方がいい。AGE牧田クリニック院長の牧田善二さんが指摘する。
「フルーツに含まれる果糖は、ご飯やパンに含まれるブドウ糖よりも脂肪になりやすいという特徴があります。人間の体はエネルギー源として糖を使いますが、それには順番があり、まずブドウ糖を最優先に使います。そのため、果糖はエネルギー源として消費されず脂肪として蓄えられやすい。だから太るんです」
フルーツをたくさん食べると、肌がきれいになると思っている人も多いだろう。ところが、これが逆効果になる場合もあると牧田さんが続ける。