女子ゴルフの東京五輪代表争いは、6月29日に最新の世界ランキングが発表され、決着となった。日本人選手の上位2人となったランク11位の畑岡奈紗(22)と同27位の稲見萌寧(21)が代表に内定し、一昨年の全英女子オープン覇者・渋野日向子(22)は涙を呑んだ。
「米国を拠点にしながら活躍する畑岡は早くから代表入りが確実視されていたが、稲見は今年に入ってから日本ツアーで5勝をあげ、一気に渋野らを追い抜いた。五輪が1年延期されたことで代表入りが叶った格好です」(スポーツ紙デスク)
もちろん、世界のトップが集まるとなれば、畑岡と稲見が五輪で上位に入るのは容易ではない。
「ただ、会場となる霞ヶ関CCでは日本ジュニアゴルフ選手権も開催されており、畑岡や稲見にとっては、中学時代から馴染みのあるコースです。地の利を生かすことができれば、メダルの可能性だってあるのでは」(プロゴルファーの沼沢聖一氏)
世界を相手に活躍が期待される2人の名前は「なさ」と「もね」という珍しい読みだが、「まさに世界を舞台に戦うために付けられた名前」(ゴルフ担当記者)なのだという。
「この年代は“キラキラネーム”というか、パッと見では読めない名前も多く、活躍すると取材の場で記者が名前の由来を聞くのが恒例となっている。2016年に日本女子オープンで優勝した畑岡は『アメリカ航空宇宙局=NASA』が由来だと説明した。両親は“前人未到のことをするように”との願いを込めたそうです。
稲見は、2015年に2度目のツアー挑戦でベストアマになった時の取材で名前の話が出て、“有名になった時に世界中で覚えやすいような響きの名前を母が付けた”と話していた」(同前)
ちなみに、『睡蓮』などの作品で知られる印象派の巨匠クロード・モネとは関係ないという。
「共通するのは、“海外の人に覚えてもらいやすい”という点であり、五輪で金メダルともなれば世界的な知名度は一気に上がるだろう」(同前)
世界が注目するリーダーボードで、「NASA」と「MONE」は存在感を放てるか。
※週刊ポスト2021年7月16・23日号