芸能

引く手数多の岡田将生 “変わり者”の役にリアリティを与える力量

共演者と恋の噂が…

クセのある役を“リアル”に演じる岡田将生

 6月25日より公開中の映画『Arc アーク』。その中でキーパーソンを演じているのが岡田将生(31才)だ。地上波では、ドラマ『書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~』(テレビ朝日系)での注文の多いスター俳優役や、『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系)でのひねくれ者の弁護士役など、クセのある役を多く演じ、度々話題を呼んでいる。近年、“変わり者”を演じられる稀有な俳優としてひっぱりだこの岡田。彼が愛される理由について、映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんが解説する。

 * * *
 映画『Arc アーク』は、“不老不死”が可能となった世界を舞台としたSF映画。岡田演じる天音という人物は、不老不死を実現させる科学者であり、芳根京子(24才)演じるヒロイン・リナのパートナーとなる存在。つまり本作の根幹をなす役どころだ。作品を見て驚いたのは、フィクショナルなテーマにも関わらず、その世界感を完全に理解し当たり前のようにリアリティをもたせていた岡田の演技だ。SNSなどの口コミでも、彼の“普通ではない”魅力に言及した声が多く見られた。

 本作は、ネビュラ賞、ヒューゴー賞、世界幻想文学大賞の3冠を制覇した作家ケン・リュウ(45才)による短編小説『円弧』を、『愚行録』(2017年)や『蜜蜂と遠雷』(2019年)などが高く評価された石川慶監督(44才)が長編映画化したもの。近未来の日本が舞台のSF作品ではあるものの、いかにもそれらしい演出は控えめ。あくまでも、“不老不死が叶う世界でのヒューマンドラマ”にウェイトが置かれている。

 あらすじはこうだ。17才で生んだ息子の元を去り、自由な世界を求めて一人で放浪生活を送るリナ(芳根京子)。彼女は19才になったある日、エマという女性と出会い、人生が大きく変わることになる。エマの下で、愛する存在を失った人々のため、遺体を生きていたときの姿のまま保存できるよう施術する特殊な仕事に就くことになるのだ。やがて、エマの弟・天音(岡田将生)がこの技術を発展させ、果ては“不老不死”も可能にしてしまう。その施術を受けたリナは、世界で初めて不老不死の身となった女性として、30才の身体のまま人生を送っていくことになる。

 芳根演じるリナが過ごす“長い時間”にはさまざまな人々が登場するが、配された俳優たちも非常に魅力的な布陣となっている。リナの才能を見出すエマ役の寺島しのぶ(48才)や清水くるみ(26才)、風吹ジュン(69才)、小林薫(69才)らがこの物語世界を支え、倍賞千恵子(80才)の存在が物語のテーマに深みを与えている。芳根の表現力は言わずもがなだが、対峙する彼らがあってこそ引き出されるものもあるだろう。そのなかでも一際目を引くのが、岡田将生の存在だ。彼が演じているのは、近年完全に板についてきた一風変わった役なのである。

関連記事

トピックス

ロシアのプーチン大統領と面会した安倍昭恵夫人(時事通信/EPA=時事)
プーチンと面会で話題の安倍昭恵夫人 トー横キッズから「小池百合子」に間違われていた!
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
「日本人ポップスターとの子供がいる」との報道もあったイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
イーロン・マスク氏に「日本人ポップスターとの子供がいる」報道も相手が公表しない理由 “口止め料”として「巨額の養育費が支払われている」との情報も
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
《会社の暗部が暴露される…》フジテレビが恐れる処分された編成幹部B氏の“暴走” 「法廷での言葉」にも懸念
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
長嶋茂雄さんとの初対戦の思い出なども振り返る
江夏豊氏が語る長嶋茂雄さんへの思い 1975年オフに持ち上がった巨人へのトレード話に「“たられば”はないが、ミスターと同じチームで野球をやってみたかった」
週刊ポスト
元タクシー運転手の田中敏志容疑者が性的暴行などで逮捕された(右の写真はイメージです)
《泥酔女性客に睡眠薬飲ませ性的暴行か》警視庁逮捕の元タクシー運転手のドラレコに残っていた“明らかに不審な映像”、手口は「『気分が悪そうだね』と水と錠剤を飲ませた」
NEWSポストセブン
金田氏と長嶋氏
《追悼・長嶋茂雄さん》400勝投手・カネやんが明かしていた秘話「一緒に雀卓を囲んだが、あいつはルールを知らなかったんじゃないか…」「初対決は4連続三振じゃなくて5連続三振」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《レーサム創業者が“薬物付け性パーティー”で逮捕》沈黙を破った奥本美穂容疑者が〈今世終了港区BBA〉〈留置所最高〉自虐ネタでインフルエンサー化
NEWSポストセブン
《女子バレー解説席に“ロンドン五輪メダル組”の台頭》日の丸を背負った元エース・大林素子に押し寄せる世代交代の波、6年前から「二拠点生活」の現在
《女子バレー解説席に“ロンドン五輪メダル組”の台頭》日の丸を背負った元エース・大林素子に押し寄せる世代交代の波、6年前から「二拠点生活」の現在
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! ミスター長嶋茂雄は永久に!ほか
「週刊ポスト」本日発売! ミスター長嶋茂雄は永久に!ほか
NEWSポストセブン