7月1日に創立100周年を迎えた中国共産党が、難局に直面している。習近平指導部は2050年までの「超大国化」を掲げるが、それと同時並行で前例のない超高齢社会に突入するのだ。中国国家統計局によると、2020年の中国の総人口は14億1178万人。出生率が過去最低となった一方、65歳以上人口は約1.9億人に増え「少子高齢化」が顕著になった。
2022年にも人口減少に転じる可能性が指摘され、政府系シンクタンクの試算では2050年に60歳以上が5億人に迫ると予想される。
その影響は中国国内だけにとどまらない。海外への影響という点では、「食糧問題」を注視する必要がある。
「中国の高齢者は歳をとっても食欲旺盛な人が多く、肥満も多い。高齢者施設でのカロリー制限なども一般的ではない」(中国業界紙記者)とされるが、すでにそうした需要を国内での食糧生産では賄えていない。
かつてはほぼ自給していた大豆なども米国からの輸入に頼るようになっている。その影響により、世界的に大豆が不足、日本でも輸入大豆を原料とする食用油が値上げとなる事態が生じている。
中国の“爆食高齢者”の行動によって、世界の食糧需給を巡る地図が大きく塗り替えられることになりそうだ。
※週刊ポスト2021年7月16・23日号