テレビ朝日のニュース番組『報道ステーション』のメインキャスターに、10月からNHK出身の大越健介氏が起用されることが発表された。大越氏は『ニュースウオッチ9』や『サンデースポーツ』など、NHKの看板番組のキャスターを歴任してきた実力の持ち主だが、果たして民放でも受け入れられるのか?
大越氏は1961年生まれで、8月に還暦を迎えるベテラン。落ち着いた物腰からは想像できないかもしれないが、学生時代は野球で鳴らしたバリバリのスポーツエリートだ。
「大越氏は東京大学時代、野球部のエースとして8勝をあげた“東大野球部のレジェンド”です。1983年には東大生として初めて日米大学野球のメンバーに選ばれ、その後メジャーリーグのホームラン王となるマーク・マグワイアとも対戦。後にキャスターとしてマグワイヤに取材を申し込んだ際、『日米野球で対戦した』と言ったら二つ返事でOKだったと明かしています。ちなみに長男も野球の道に進み、2005年に名門・日大三高(東京)のエースとして、甲子園でベスト8まで進みました」(野球ライター)
NHK入局後は政治部記者となり、橋本龍太郎首相(当時)の番記者、ワシントン支局長など、華やかな道を歩んできた。ただしNHK退職に至るまでには、不遇をかこつこともあった。
「大越アナは2015年に『ニュースウオッチ9』を降板しましたが、これを不可解と見る向きは多かった。当時、局内外で番組の評判は良く、大越アナ降板はまさに青天の霹靂でした。その理由として報じられたのが官邸の圧力です。
大越アナは、NHKのアナウンサーとしては珍しく、ニュースの合間に短いコメントを挟むスタイルを貫いており、政権に批判的なものも多かった。これに安倍晋三首相(当時)が鋭く反応し、“官邸がNHKに圧力をかけた”と、複数のメディアで報じられました。それ以外にもここ数年、NHKの番組制作や報道姿勢について、たびたび官邸の圧力が指摘されており、大越アナも“政権の不興を買って飛ばされた”と伝えられています」(フリーのジャーナリスト)
違和感はないが、課題はパートナーか
6月末にNHKを定年退職してから1週間あまりでの民放移籍を発表した大越氏。これには驚きの声も上がったが、関係者の評価は概ね良好だ。