東京五輪で正式競技として復活した女子ソフトボール。2度目の金メダル獲得を目指す上野由岐子選手の活躍を期待する声も大きいが、そのグラブを手がけるのが、ミズノが誇る「グラブマイスター」岸本耕作さんだ。岸本さんは現役時代のイチロー選手のグラブも担当した超一流の職人。ミズノ入社以来、45年にわたってグラブ作りに携わってきた。
グラブ作りの拠点は兵庫県のミズノテクニクス波賀工場。ベテランから若手まで、ミズノの職人魂が脈々と受け継がれる「グラブの聖地」だ。
「上野選手はフィット感にこだわるので、通常はグラブの外に出す親指かけのパーツを内蔵しました」(岸本さん)
大ベテランになってなお、「ソフトはマウンドが近く、打球も速い。耐久性と軽さの両立が難しい」とよりよいグラブ作りへの情熱を語る岸本さん。
上野由岐子選手といえば、北京五輪における「上野の413球」で日本中を沸かせた。岸本さんも、「北京の上野選手の投球は本当に凄かった」とソフトの五輪復活を楽しみにしているようだ。
※週刊ポスト2021年7月16・23日号