「我が国のスーパーコンピュータ『富岳』を用いた感染リスクの試算を行ないましたところ、仮に国立競技場に1万人動員した場合の新規感染者数の試算は1名に満たない程度であることなどがわかりました」
「スポーツを担当する大臣としては大いに意義のあることだというふうに思っていますので、観戦の機会を与えていただければなという期待はしています」
東京五輪の無観客開催が決まる2日前の7月6日、記者会見で最後の“悪あがき”をしていたのが萩生田光一・文科相である。
「菅首相の側近である萩生田大臣は、東京都連の総務会長でもあり、都内の小中高生が五輪を生観戦する『学校連携観戦』を推し進め、首相とともに有観客の開催にこだわってきた。富岳にも自ら指示して試算させていました」(文科省関係者)
会見を終えた萩生田氏は、車である場所に向かった。東京・麻布十番の老舗洋食店である。居合わせた客が言う。
「私たちが入店したのは19時過ぎでしたが、萩生田さんは秘書らしきスーツ姿の男性たちと5人グループで2つのテーブルに分かれて座っていた。どちらのテーブルにも生ビールのグラスが置かれていました。萩生田さんが飲んでいたかどうかはわかりません。テーブルを挟んで会話もしていましたが、店にいる間はマスクはしていませんでした」
この日は緊急事態宣言の発出前だったが、東京都ではまん延防止等重点措置が取られており、酒類の提供は2人以下の客に限られていた。本人の飲酒如何にかかわらず、萩生田氏の行動はガイドラインを逸脱している。
議員会館前で萩生田氏を直撃すると、「僕たちのテーブルにいたのは3人。あとは紙(質問状)で出してもらえば調べておきますよ」と言い残し、足早に去っていった。事務所は「公務終了後、19時前に同行したスタッフと飲食店に入り夕食を取りました。ルールに従い30分程度で食事を済ませ退店しました」と回答した。
萩生田氏は、コロナの感染拡大以降もたびたび酒席に姿を見せる様子が報じられてきた。