ワクチンにはかならずメリット(感染防止)とリスク(副反応)がある。国や医療機関はそのリスクを正しく評価し、調査し、公表すべきであり、私たちもそれを知った上で「打つべきか、打たざるべきか」を判断すべきだ。ワクチン接種後に急死した日本人は、すでに550人以上。だが、その現実も、詳細データも、新聞・テレビではほとんど伝えられない。『女性セブン』が独自に徹底分析した。
いよいよワクチン接種の証明書が発行される。加藤勝信官房長官は7月12日、新型コロナウイルスワクチンの接種歴を証明する「ワクチンパスポート」について、当面は発行手数料を無料にすることを明らかにした。
パスポートは7月26日から全国の市区町村窓口で申請受付が始まる。まずは海外に渡航する人が防疫措置の緩和を受ける際に利用されるが、国内でも民間企業などが優遇措置を検討する動きがある。
パスポート発行の動きが加速する一方で、置きざりにしてはいけないのが、ワクチン接種のリスク「副反応」だ。7月7日、厚生労働省の専門部会は、ファイザー製とモデルナ製のワクチン接種後の「心筋炎」や「心膜炎」について注意を促す内容が、両製品の添付文書に追加されたことを明らかにした。
また同日、厚労省は国内で2月17日から7月2日まで、ワクチン接種後に死亡が報告された事例が556人に達したことを明かした。6月18日までの報告数355人と比べて、2週間で200人以上増えたことになる。
556人の内訳は、ファイザー製554人、モデルナ製2人(モデルナ製は5月24日に接種が始まったため、報告数が少ないと思われる)。『女性セブン』は厚労省の報告書をもとに、ファイザー製を接種後に死亡した554人の「性別」「接種回数」「既往症」「常用薬」などを分析した。
まず性別は男性277人、女性275人、不明2人。これまで女性の副反応が多いとされたが、今回の報告では男女がほぼ同数となった。年代・性別でみると80代男性が118人と最も多く、80代女性(101人)、90代女性(101人)、70代男性(82人)が続く。高齢者が多いのは65才以上から優先接種が始まったことが理由だろう。
接種回数ごとの死者数は、1回目397人、2回目125人、不明32人。接種から亡くなるまでの期間は「翌日」が108人で最も多く、「8~14日後」(84人)、「2日後」(75人)、「3日後」(52人)が続く。なお「接種当日」は41人だった。
7月4日には高知県南国市の集団接種会場で、60代男性が接種直後に倒れ、搬送先の病院で死亡した。因果関係は確認されていないが、そうした突然死も発生しているようだ。
主な死因のトップは不明(129人)で、心肺停止(39人)、心不全(32人)、急性心不全(28人)、心筋梗塞(21人)が続く。気になるのは、「不明」が多数を占めることだ。医療ガバナンス研究所理事長で医師の上昌広さんが指摘する。
「接種と関係のない自然死か、あるいは接種と関係するかもしれない死か、きちんと調査されていないので『不明』となっています。ただの怠慢でしょう。厚労省は国民の不安を払拭するためにも、死亡届を確認して調査すべきです」