トーマス・バッハ会長(時事通信フォト)

自信満々なトーマス・バッハ会長(時事通信フォト)

 第4のコース、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長。「ジャパニーズ」を「チャイニーズ」と言い間違えるなど、行く先々で刺激的な話題を提供してくれています。姑息だったのは、報道陣からコロナの感染防止策をまとめた規則集「プレーブック」が守られていないと指摘を受けたときの回答。「(違反行為があったとの報告は)私のところには届いていない。検査体制は成功している」と自信満々に言い切りました。

 第5のコース、河野太郎行革担当大臣。ひと頃は順調に進んでいるかに見えたワクチン接種ですが、6月下旬になって各地で「ワクチン不足」になっている状況が露呈します。事態を受けて河野大臣は「自治体が色んなことを考えてやってくれたので、どんどんペースが加速しました」と、張り切り過ぎた自治体が悪いと言い出しました。それまで政府は、あの手この手で全国の自治体に圧力をかけて無理やり体制を整えさせていたのに。

 何度かテレビに出ては「ワクチンは順調に入ってきている」「接種スピードが速い自治体においては、最適化に向けてお願いをしたい」などと、自分は悪くない、政府のやり方は間違っていなかったと強調しています。言い訳しつつ安心感を与えたいのでしょうが、姑息な印象と「こりゃ、アテにならないな……」という不安しか伝わってきません。

 第6のコース、加藤勝信官房長官。「要請問題」で批判を受けたら、急に酒類販売事業者への支援の拡充を発表しました。拡充はけっこうなことですけど、ほかにも困っている業界はたくさんあるのに、こんな露骨で姑息な「埋め合わせ」をやっている場合でしょうか。ただまあ、加藤官房長官は発表しただけなので、実際に姑息なのは政府ですね。

 第7のコース、小池百合子東京都知事。コロナ対策に関しても東京五輪に関しても、バリバリの当事者なのに、ここ最近は「なるべく目立たないようにしよう」という姿勢が感じられます。前に出れば何をどう批判されるかわからないからでしょうか。あるいは気のせいでしょうか。陰できっちりやってくださっているならいいんですけど、「今は隠れていたほうが得」という判断なんだとしたら、けっこう姑息です。

 第8のコース、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長と東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長。開会式まで1週間を切っているのに、ふたりの露出が少なすぎます。小池知事同様、目立ちたくないという姑息な意図を感じないでもありません。単にニュースバリューがないだけかもしれませんけど。

 さて、勝負の行方やいかに。激しいデッドヒートが繰り広げられました。僭越ながら私が選んだメダリストは、次の3人です。金メダル、やっぱり貫録の菅義偉首相。銀メダル、どう転んでも親近感は湧いてきそうにないバッハ会長。銅メダル、しゃべればしゃべるほど言い訳臭さが漂う河野大臣。おめでとうございます! パチパチパチ!

 たまたまこの結果を知った菅首相が、過去の金メダリストにならって「チョー気持ちいい!」と叫んだり「今まで生きてきた中で、いちばん幸せです」と涙ぐんだりしてくれたら、選んだ私としても望外の幸せです。

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