21才でステージIVのがんが発覚、23才で出産。24才になった彼女は、今年5月末に「余命は数週間程度」と宣告を受けた──それから1か月強。娘の1才の誕生日を迎えた遠藤和(のどか)さん(24才)は、闘病と育児の日々を前向きに日記に記している。
●7月8日(木)
〈娘ちゃん0才最後の日。さみしい~! もう赤ちゃんの娘には会えない。1才の娘に会えるのは楽しみだけどね!(中略)
あんなに小さく生まれたのにこーんなに立派に大きくなってくれてありがとう。本当に本当に毎日大好きよ。超可愛い。無事に誰も欠けることなく1才を迎えられて、ママは本当に幸せ! この幸せはパパと娘ちゃんがくれたものだよ。いつもありがとうね〉
青森県出身の和さんは、7月9日に1才になったばかりの娘を育てながら、ステージIVの大腸がんの闘病中だ。5月末には主治医から「余命は数週間程度」と告げられたが、希望を失わず、宣告を乗り越えて、いまも子育てや家事に奮闘する日々を送っている。主治医からは「残された治療法はない」と言われ、緩和ケアや看取りの検討もすすめられた和さんだったが、彼女はそれを選ばなかった。
「遠藤さん(夫の将一さん。30才)が走り回って、治療ができる病院を探してくれたんです。いまはその病院で2週間に1度、4日間ほど入院して抗がん剤治療を受けています。遠藤さんや妹など、家族の力を借りながらではありますが、東京の自宅で過ごせています」(和さん・以下同)
緊張が走った瞬間もあった。和さんが続ける。
「前回の入院で、意識混濁を起こしてしまったんです。副作用がつらくて吐いてしまったところまでは覚えているのですが、その後の記憶がない。気がついたら遠藤さんと妹がベッド脇で泣いていて、『なんで2人がいるの?』と驚いてしまいました。母と娘も駆けつけ、話をしたらしいのですが、それもまったく覚えていないし、送ったLINEも履歴には残っているのに覚えていなくて……。
死ぬときって、こうやって一瞬で帰って来られなくなっちゃうのかな、と怖くなりました。無事に戻って来られて本当によかったです」
現在は抗がん剤の副作用は以前ほど重くなく、体調はおおむね良好。点滴を外すことはできないものの、近所の散歩はできるような状態だ。