高齢者を対象とした新型コロナのワクチン接種が始まった時期に、「僕は打たないつもり」と発言していた明石家さんま(66)。その後、一般向け接種が進むなか、本人に改めて聞いたところ、「やっぱり打つことにした」と話す。どのような心境の変化があったのだろうか。
さんまは5月15日に、自身がパーソナリティを務めるラジオ番組『MBSヤングタウン土曜日』で、「僕は打たないつもり。誰かに回してあげたい」と発言。その理由について、「66年間、1回も(ワクチンを打ったことが)ないんですよ。ここでワクチンを打つと、体が変わってしまうので俺は打たないって」と語っていた。
この発言は大きな反響を呼び、ネット上では「接種を受けることが当然という風潮のなか、よくぞ言ってくれた」「打つ打たないは本人の自由」といった肯定的意見が上がる一方、「影響力のある人なのだから発言を考えてほしい」「志村けんさんのような悲劇は見たくないから接種してもらいたい」といった意見もあり、賛否が分かれた。
その反響はさんま自身にも影響を与えたようで、その後の同ラジオ番組(7月10日放送)では、「(接種するかどうか)悩んでいる最中」と明かした上で、「『さんまさんが打たないなら打たない』というやつもちょっと出てきてる。『俺が打たないなら私も打たない』というのはやめたほうがいい。ワクチンはちゃんと打ったほうがいいと思いますよ」と注意を促した。
その発言から1週間ほど経った7月16日、仕事終わりのさんまに直接、話を聞いた。
――ワクチンについてですが。
「ああ、ワクチンね、打つよ、打つ」
――悩んでいるというお話しでしたが。
「ううん、もう打つことに決めてんの。8月の末に」
この日は急いでいる様子だったさんまだが、後日、改めて理由を教えてくれた。
――なぜワクチンを打とうと思ったんですか。
「それはー、あの世間が、世の中がワクチン打たなあかんってなってるしな」
――周りからも勧められた?
「周りも言うよ、吉本も(職域接種を)やってるしな。ほいじゃね」
車に乗り込み、手を挙げて去って行ったさんま。テレビ界の頂点に君臨する男は、自らの影響力を考慮して、決断を下したということだろう。