健康な食生活においてとても重要なものが「朝食」だが、農林水産省の調査によれば、朝食を抜く人の割合は年を追うごとに増加しているという。しかし、それでは不健康まっしぐら……なのではないだろうか。食と健康の専門家たちが、健康へと導く“朝食”に推す食材とは?
朝は時間の余裕がないだけに、朝食は簡単に調理できるかどうかが大きなポイントとなるはず。そういう意味では「卵」は、バタバタした中でも取り入れやすい食材といえるだろう。医学博士の福田千晶さんはこう解説する。
「卵かけご飯、半熟ゆで卵やポーチドエッグなどアレンジ多数で簡単。良質のたんぱく質ゆえ、消化吸収することで内臓を目覚めさせ、体温も上がります。1個食べるだけで体が活動するのにふさわしい状態にしてくれます」
「ヨーグルト」もその手軽さが評価された。果物を加えれば「鬼に金棒」と太鼓判を押すのは管理栄養士の望月理恵子さんだ。
「体内時計をリセットするには炭水化物とたんぱく質が必須ですが、ヨーグルトはその両方を手軽に摂取できる食品の代表。ただしビタミンCと食物繊維はほとんどないのが玉に瑕。キウイフルーツやバナナなどの果物を添えることで補えます。
特にバナナにはトリプトファンやビタミンB₆が多く含まれ、幸せホルモンと呼ばれる『セロトニン』の材料になる。一日を楽しく始めたいならばバナナヨーグルトがおすすめです」
管理栄養士の清水加奈子さんも「フルーツヨーグルト」の効能に注目する1人だ。
「ヨーグルトは腸内環境を整え、便秘による肌荒れの改善にも効果大。加えて、果物が含有する糖分は血糖値を上げにくく、糖尿病のリスクが低い。なかでも、りんごの皮にはポリフェノールが特に多く含まれるため、丁寧に洗って皮ごとヨーグルトに入れて食べるのがおすすめです」