新型コロナワクチンの2回目接種まで終えた人は約2900万人(7月20日時点)を数えるが、それとともに「打った後」のデータも積み上げられている。厚労省の最新の公表資料には接種後に命を落とした人が生前、どんな基礎疾患を抱え、どんな薬を服用していたかが記されている。
7月21日に厚労省が公表した資料「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」によれば、2回目の接種後の死亡例は214件。この資料では、因果関係の評価が出ていないケースも含め、死因のほか、基礎疾患の有無や詳細、服用薬などが記載されている。
これらは、ワクチン接種時の「予診票」に記されていた内容だという。基礎疾患や服用薬について事前に確認し、かつ、死亡後に情報を公表しているのはなぜか。厚労省健康局健康課予防接種室の担当者が言う。
「基礎疾患がある方で病状が重い場合は『接種要注意者』として医師に相談してもらうためです。(死亡事例に基礎疾患や服用薬を入れているのは)安全性に関する情報周知のためで、接種を受ける人には参考にしていただきたいと思います」
本誌・週刊ポストは適切な判断のための材料として、2回目接種後に死亡した214人のうち、予診票に服用薬について書き残した77人の記載内容を一覧表に整理した。
まず、死亡した人が服用していた薬を、記載が多かった上位10種(同じ有効成分の薬は同一のものとして集計)まで列挙する。
●アムロジピン、ノルバスクほか…12人
●バイアスピリン、アスピリン腸溶錠ほか…11人
●マグミット、酸化マグネシウムほか…10人
●クロピドグレル、プラビックスほか…8人
●フロセミド、ラシックスほか…7人
●ランソプラゾールほか…5人
●カロナール、アセトアミノフェン錠ほか…5人
●カルボシステイン、ムコダインシロップほか…5人
●ビソプロロールフマル酸塩錠、メインテートほか…5人
●ニフェジピン、アダラートほか…4人
いずれも高血圧などの生活習慣病や、風邪症状の緩和に処方される一般的な治療薬だ。ナビタスクリニック川崎の谷本哲也医師が語る。
「アムロジピンはカルシウム拮抗薬というタイプの降圧剤で、カルシウムの細胞への流入を抑え、血管の収縮を防いで血圧を下げる働きをします。抗血小板薬のアスピリンは血液が固まるのを抑えます。狭心症や心筋梗塞・脳梗塞後の再発予防として用いられる。主成分は異なりますが、クロピドグレルも同様に抗血小板薬です」