北朝鮮では新型コロナウイルスの感染拡大により、首都・平壌にある各国大使館から大使館員が次々と脱出。24カ国ある大使館のうち、半分の12カ国の大使館では館員が全員出国してしまい、閉鎖状態にあることが分かった。インドのアトゥル・マルハリ・ゴツルベ大使がツイッターで明らかにした。
平壌に大使館を置いているのはモンゴル、中国、ラオス、ベトナム、カンボジア、マレーシア、インドネシア、インド、パキスタン、イラン、シリア、パレスチナ、英国、ドイツ、チェコ、ポーランド、スウェーデン、ルーマニア、ブルガリア、ロシア、リビア、エジプト、ナイジェリア、キューバだ。
このうち、英国やドイツ、チェコ、ポーランドなど、主にヨーロッパ諸国の大使館は閉鎖されている。大使館員が残って業務を続けているのはインド、ブルガリア、中国、キューバ、インドネシア、パレスチナ、モンゴル、ルーマニア、ロシア、シリア、ラオス、ベトナムだ。
インドのゴツルベ大使は昨年12月、本国から「帰任」の辞令を受け取っており、今年7月、ロシア大使館の館員らとともに、ロシアと北朝鮮を結ぶハサントゥマンガン鉄橋を通って出国した。
ゴツルベ氏は7月8日と7月11日に、北朝鮮の田園風景の写真を数枚、ツイッターに投稿している。北朝鮮の新型コロナウイルスの感染拡大の厳しい規制により、外国人居住者は平壌から出ることが事実上禁止されているが、コルツベ氏は出国途中に写真を撮影したとみられる。
同氏は2018年5月からインドの駐北朝鮮大使を務めていた。同氏によると、昨年初めの感染拡大以来、外国の外交官や援助関係者が北朝鮮から大量に脱出。北朝鮮は海外の人々の入国も認めていないため、大使館員はいったん出国すると平壌に戻ることはでない。大使館側はスタッフを補充することができず、館員は減る一方だ。コルツベ氏の後任の大使も入国できず、本国で北朝鮮の国境封鎖の解除を待っている状態だという。