ビジネス

異常な盛り上がりを見せる中学受験でわが子をつぶす父親たちの傾向

在宅勤務の定着で子どもの中学受験に口出しする父親が増えている

在宅勤務の定着で子どもの中学受験に口出しする父親が増えている

 コロナ禍の在宅勤務も相まって、子どもの中学受験に父親が積極的に関わる家庭が増えている。だが、中には熱心になりすぎて、かえって子どもの足を引っ張るケースも相次いでいるという。中学受験に詳しい安田教育研究所の安田理氏が、父親による受験参画の問題点をレポートする。

 * * *
 受験の“天王山”と言われる夏休み。不要不急の外出は避けなければならず、親子して家にいる時間が増えている。そんな中、周りから聞こえてくる声は、

「中学受験が異常に盛り上がっている」
「模試の状況を見ると、2022年度入試はさらに受験生が増えそうだ」

 といったものばかり。そんな危機感もあり、このところ講演会や合同相談会で目立つのが父親の姿だ。

平日の受験相談会に詰めかける父親

 長年中学受験の保護者向けに講演しているが、ひと昔前は目の前に座っているのはほとんどが母親だった。筆者も2人の子どもを中学受験させているが、当時は母親任せで、子どもの受験で会社を休むことなどありえなかった。

 だが、安田教育研究所を設立し、いろいろな新聞社・雑誌社の取材を受けている折に、記者自身の子どもの話を聞いていると、近年は2月1日・2日の受験集中日はふつうに会社を休む父親が多いそうだ。

 今年6月、渋谷のヒカリエで開かれていた合同相談会をのぞいたところ、平日にもかかわらず大企業のサラリーマンタイプの父親が詰めかけていたことに驚いた。リモートワークで家にいるから出てきやすいのだろう。

 同じ6月には、逗子の塾で、神奈川南部の私学の校長・教頭4名の先生とパネルディスカッションを行った。参加者は父親・母親半々で、しかも終了後に質問したのはすべて父親だった。この塾ではかれこれ10年近くこうした機会を持っているが、これまではこんなことはなかった。

 パネルディスカッションの実施日は子どもの模擬試験の日だったため、来ている保護者は小5・小6が中心。だが最近は、子どもがまだ入塾していない小1・小2の保護者が参加するケースも増えている。子どもが小さいうちから受験に参画しているのである。

 今年受けた父親の質問には、「将来法学部に進ませたいと思っているのですが、慶應の普通部に進めば大学では問題なく法学部には行けるものでしょうか?」など、かなり突っ込んだ内容のものがあった。父親らしい質問であった。

関連記事

トピックス

復興状況を視察されるため、石川県をご訪問(2025年5月18日、撮影/JMPA)
《初の被災地ご訪問》天皇皇后両陛下を見て育った愛子さまが受け継がれた「被災地に心を寄せ続ける」  上皇ご夫妻から続く“膝をつきながら励ます姿”
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン
武蔵野陵を参拝された佳子さま(2025年5月、東京・八王子市。撮影/JMPA)
《ブラジルご訪問を前に》佳子さまが武蔵野陵をグレードレスでご参拝 「旅立ち」や「節目」に寄り添ってきた一着をお召しに 
NEWSポストセブン
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
オンラインカジノの件で書類送検されたオコエ瑠偉(左/時事通信フォト)と増田大輝
《巨人オンラインカジノ問題》オコエ瑠偉は二軍転落で増田大輝は一軍帯同…巨人OB広岡達朗氏は憤り「厳しい処分にしてもらいたかった。チーム事情など関係ない」
週刊ポスト
1990年代にグラビアアイドルとしてデビューし、タレント・山田まりや(事務所提供)
《山田まりやが明かした夫との別居》「息子のために、パパとママがお互い前向きでいられるように…」模索し続ける「新しい家族の形」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
前田亜季と2歳年上の姉・前田愛
《日曜劇場『キャスター』出演》不惑を迎える“元チャイドル”前田亜季が姉・前田愛と「会う度にケンカ」の不仲だった過去
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
NEWSポストセブン