東京五輪で来日した選手たちとマッチングアプリで出会える——。ネット上にそんな噂が広がっている。世界最大級のマッチングアプリ「Tinder (ティンダー)」は、旅先でも現地の人々と交流するために190か国、40以上の言語に対応。世界中で毎日2600万以上の人々をマッチングしているという。ただでさえ国際恋愛向けと言われている同アプリのユーザーに五輪選手や五輪関係者がいたところで不思議ではない。
Tinderは、位置情報を使用したサービスで、自分のいる場所から任意の範囲内にいるユーザーのアカウントが表示される。Tinderのユーザーで、五輪選手とメッセージのやりとりをしたという30代女性はこう言う。
「選手村近くの都営大江戸線の勝どき駅辺りから10km圏内にいるユーザーを表示するように設定すると、いかにもアスリート然とした外国人男性が次々とヒットします。なかには、プロフィールに“Olympian”や“Olympic ×× player”と書いていたり、試合中の写真をプロフィール画像にしたアカウントもあります」
実際に筆者も同アプリをインストールし勝どき駅周辺で同じように10km圏内にいるユーザーを表示してみると、オリンピック選手と思われるアカウントがたくさん出てくる。
「別人が選手になりすましているだけではないか?」との疑念も湧くが、五輪選手を名乗るアカウントには、本人であることをアプリ側が認証したマークがついたものもあった。たしかに、勝どき駅周辺から約10km圏内にいる大勢の自称・五輪選手たちが全員偽者というのも逆に考えづらいだろう(Tinderでは、表示されたアカウントの大まかな現在位置もわかる)。
なお、Tinderは登録さえしていれば、他ユーザーに自分のアカウントが表示される仕様となっている。そのため、「Tinderで表示される選手は全員、日本でのアバンチュールを楽しもうとしている」と捉えるのは早計である。日本人と会おうとしているわけではなく、自国でインストールだけしていたとしても、表示自体はされるわけだ。