今年も秋に予定されているコントの祭典『キングオブコント2021』(TBS系)に向けて、コント師たちの熱い戦いが始まっている。コント日本一の称号とともに、優勝賞金1000万円を手にするのは誰か。過去には「東京03」「ロバート」「バイきんぐ」「かもめんたる」「かまいたち」といった錚々たる芸人たちが王座に就いている。
現在は予選の真っ只中で、予選1回戦の合格者が発表されている。同公式アカウントが配信しているYouTubeの「エントリー表明動画」では、過去のM-1グランプリ王者の「霜降り明星」のほか、「ニューヨーク」「アキナ」「カミナリ」などがコメントを寄せている。
9月に準決勝が行われ、決勝は秋にTBS系列で生放送される予定だ。はたして今年、注目のコンビは誰か? 在阪ライターが、よしもと漫才劇場(以下、マンゲキ)に所属する関西の若手芸人の中から、活躍が期待される芸人たちを紹介する。
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■ロングコートダディ(堂前透、兎)
関西のよしもと若手コント師の中でも、劇場で王者の風格を感じさせるのは『ロングコートダディ』、通称『ロコディ』ですね。彼らが出ている回はハズレなし、と思わせる安定のコントをみせてくれます。7月に大阪のなんばグランド花月(以下、NGK)と東京の草月ホールで開催された単独ライブ『じごくトニック』のチケットは、東京は即完。NGKも2階席の後ろまでぎっしりと観客で埋め尽くされていました。
ライブでは笑えるネタから、深く考えさせられるようなネタまで幅広くかけ、単独では涙を流しているファンもいました。自分も、笑えるのに涙が出てくるような不思議な感覚で、目頭が熱くなりましたね。彼らのコントはネタ作りをしている堂前くんのセンスが素晴らしく、先輩芸人たちの中にもファンが多いことで知られています。劇場のコント師を集めたライブでは、その中心的な存在として周りのコント師を牽引している印象です。真の実力派として期待は大きいです。
■ビスケットブラザーズ(きん、原田泰雅)
『ビスブラ』という愛称で親しまれている彼らは、NSC33期で『コロコロチキチキペッパーズ』や『ハナコ』と同期。2020年には『第9回 ytv漫才新人賞』で優勝し、まさに脂が乗っている状態。とにかく劇場公演でスベっているところを見たことがありません。ロコディとは対極的とも言えるパワー系のコンビですが、他では見たことがないオリジナリティの高いネタと、彼らにしかできない世界観を作りだす才能に感服します。よしもと漫才劇場は、平日には女性客が7~8割を占めますが、彼らの単独ライブには男性客がとても多い印象です。
ちなみに、原田くんの声の通りの良さは、マンゲキ所属メンバーのなかでも一番ではないでしょうか? 合唱団で培った肺活量のおかげか、劇場の一番後ろに座っていてもとにかくクリアに響いてくる。彼らは舞台に出てきた瞬間にもう面白い、芸人さんとしての強烈な“圧”があります。売れて欲しいコンビですね。