ライフ

安藤優子さん 佐藤愛子さんの「最後のエッセイ集」に向けた手紙

佐藤愛子さん

最後のエッセイ集を上梓した佐藤愛子さん

 ベストセラー『九十歳。何がめでたい』から丸5年。佐藤愛子さんの最新&最後のエッセイ集『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』が8月6日に刊行された。ニュースキャスター、ジャーナリストの安藤優子さんが、佐藤さんへのお手紙の形式で、この『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』について綴る。

 * * *
 佐藤愛子さま、すっかりご無沙汰をしています。

『九十歳。何がめでたい』で、こんな痛快な生き方があるのかと目を丸くしながら、泣いて、大笑いして、そのご縁で先生に懇願し、私が担当していたテレビ番組に出ていただきました。

 あの時、お願いする段階からコチコチになっていた私は、北海道の別荘にいらっしゃる先生に息をつめながら電話をして、自分ではできるだけ平身低頭の体で、長々と番組の趣旨などを話させていただきました。今回のエッセイ集『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』を読んで、あの長電話がどれほど先生にとって苦痛であったか……。きっと「アンタ、もっと端的に!」と怒鳴りたいのをこらえていらしたのですね。

 ほんとうに、すいませんでした。

 にもかかわらず、先生はお孫さんと共にインタビューのためにスタジオにいらしてくれて、テレビの常である、20分のコーナーなのに1時間半もかかった収録にお付き合いくださいました。きっとあの時も、「早よせんかい!」と一喝されたかったにちがいありません。

 正直、私も収録が長く気が気ではなく、やたら追加質問をとねばるディレクター嬢に、薄目で首を横に振り、「早よ終わりにせんかい!」と合図を送り続けたのでしたが。まさに、先生をヘトヘトにさせてしまい、ほんとうに、すいませんでした。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン