週刊誌記者やワイドショーのレポーターが無神経な質問をしてくるのは、100歩譲ってそういう仕事だから仕方ないとしても、仕事やプライベートで知り合ったばかりの人から家庭環境や家族のことをあれこれ聞かれるのは、耐えがたい。そんなようなことを言っていた。
考えてみれば、初対面の相手が自分の家族構成や親の職業まで知っているというのは、ちょっとイヤなものかもしれない。もちろん、そのお陰でトクをすることも多いはずだが、常にプライバシーを晒した状態で生活するのは、どんな気持ちなんだろうかと優一氏の気持ちを少し想像してみた。親のお陰で有名になれたことは、嬉しいような嬉しくないような、複雑な感情があるのかもしれない。
曲調がどれも似ている理由
花田優一と言えば、最近は6月にお笑いコンビ「さらば青春の光」のYouTubeチャンネルに出演したことで、歌手としての一面も話題になっている。優一氏が作詞・作曲している歌がどれもこれも曲調が似ていることを逆手に取り、花田優一の曲だけでイントロクイズをするという企画がバズったのだ。後日、花田優一本人が出演し、ぶっつけ本番で自身の曲をカラオケで歌う場面もあった。「イジられることは嫌じゃないのか」と聞いてみたら、優一氏はこう言った。
「面白くしていただいて、むしろありがたいですよ。イジるにしても、愛情があるかないかって分かりますよね。ただ貶して落としたいだけなのか、そうじゃないのかって、相手の態度に出ると思うので。ネットニュースの記事とか文章でも、同じですよね」
たしかに「さらば青春の光」は優一氏をイジりながらも、画面からは友達同士のような空気感が漂う。普段はどこかカッコつけたようにも見える優一氏が、自分の歌をうまく歌えず、うろたえて最後は土下座する姿は、私にはむしろ好印象に感じられた。うまく魅力を引き出していた。
後日、工房内で修行中にBGMとして優一氏が作詞作曲した『純青(じゅんせい)』が流れてきた。あっ、この曲は師匠のオリジナルソングだぞと思ったら、歌い出しを待たずにいきなり曲が切り替わった。優一氏がスマホをいじり、次の曲に飛ばしたらしい。
「さっき、優さんの曲が一瞬流れましたよね? すぐ変えませんでした?」