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花田優一に弟子入りの週刊誌記者 師匠の歌手としてのこだわりを知る

家族についてなどプライベートな話もするようになった「優さん」と「西さん」

家族についてなどプライベートな話もするようになった「優さん」と「西さん」

 花田光司氏(元横綱・貴乃花)の長男で靴職人の花田優一氏に、週刊誌記者・西谷格氏が弟子入りし、互いに靴作りの修行中の出来事をレポートする異色の“交換日記”連載企画。互いを「優さん」「西さん」と呼び合い、徐々に距離も縮まってきた2人だが今回は、工房内のスピーカーから突然「歌手」としても活動する優一氏のオリジナルソングが流れてきて……。(別稿で優一氏本人のレポートあり)。

 * * *

 正直に申し上げると、本連載は少々グダグダになっていた。工房にはキチンと2週間に一度のペースで通っているのだが、原稿執筆が私(記者)も優一氏もすっかり停滞していたのだ。編集者からもさほどやかましく催促されなかったため、修行記事を溜め込んでしまった。

 記憶はすでに混沌としている。明日はすでに7回目の修行を予定しており、これ以上の溜め込みは許されない。4回目と5回目に印象的だったことを、断片的記憶をつないで列挙してみたい。

 この時期、修行内容は大きく変わらず、皮革の裏面をナイフで薄く削り取る「革スキ」と、木型に太いマスキングテープを貼る「型紙作り」が中心だった。革スキの自主練は相変わらず低調だったが、何度か自宅で練習だけでも、多少は上達するように感じられた。ナイフをしっかり砥石で研ぐのがポイントで、切れ味が鈍いとどんなに集中してもうまくいかない。とはいえ、ナイフの切れ味の良し悪しはイマイチ判断しにくく、まだまだ手探りだ。

 型紙作りは、幅5センチほどのマスキングテープを木型に貼り、カッターで縁取りをしててから剥がし、画用紙に貼り直す。縫いしろや折り返し、土踏まずの位置などを考慮しなくてはならず、なかなか複雑。立体を平面に起こすというのは、厄介な作業なのである。一枚の革を靴の形に成形するというのは、つくづく手間と技術がかかるものだと実感する。

 いつも休憩時に通っている洋食屋でランチを終えたあと、雑談していたら優一氏は不意にこんなことを語り始めた。

「会っていきなり親のこと聞いてきたりとか、失礼なやつもいるんですよ。『お父さんと叔父さんって本当に仲悪いの?』とか聞いてきたり。こっちの気持ちをえぐるようなことを平然と言ってきたりとか、本当やめてほしい」

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