今やら老若男女を問わず、多くの人が手放せなくなったスマホ。ニールセン デジタルのレポートによると、スマホの動画視聴の月間平均利用時間は2019年6月時点で7時間13分に達し、スマホの「動画視聴率」は、5年間で4倍に急増したという。
もはや日常に入り込んでいると言えそうなスマホ動画だが、健康状態から対人関係までさまざまな悪影響やリスクも指摘されている。しかし、スマホの弊害が大々的に報じられることはほとんどない。メディア文化評論家の碓井広義さんはいう。
「いまのテレビ局は、スマホ動画を自分たちのビジネスの中に取り込むことに必死で、ネガティブな情報には触れたがりません。むしろ視聴者がますます“スマホ動画脳”になって、各局が配信するドラマをオンデマンドで見てくれることを望んでいるのかもしれません」(碓井さん)
こうした状況で、体と心に音もなく忍び寄るリスクにどう向き合うべきなのか。ITジャーナリストの三上洋さんが主張するのは、自分のスマホ利用時間と内容を知ることの大切さだ。
「たとえスマホ動画の視聴時間が長かったとしても本当に必要な情報であったり、目的がはっきりしているのであれば問題視する必要はありません。悪いのは無意識のうちにだらだらと見続けてしまうこと。
iPhoneでは『スクリーンタイム』、Androidでは『デジタルウェルビーイング』というアプリを使えば、1日のうち何時から何時までスマホを使っていたのか確認できます。これを見て、“ちょっと使いすぎだな”と思ったら意識して減らすようにして、それからアプリで利用時間を確認する。レコーディングダイエットのように、実際の数字を参照しながら利用時間を減らしていけば、必ず効果が出るはずです」