プロ野球・巨人戦の試合中継が、視聴率がとれなくなって久しいが、今年、日本テレビは視聴率獲得のために放送内でさまざまな企画を行っている。野球ファンから不評を買うものもあり、必ずしも成功しているとは言い難いが、そんな日テレが新たに行うのは、人気男性アイドルと球界のレジェンドたちによる企画だ。果たして、低迷状況を抜け出すことはできるのか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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20日夜放送の『プロ野球中継・巨人×DeNA』では、“野球脳サバイバルナイターグランドチャンピオンシップ”と題した企画を放送。これは「誰が一番野球を見る目があるのか?」というテーマのゲーム企画であり、「1球ごとに結果を予測して的中させたらポイントを獲得し、1イニングごとにポイント数の少ない人が脱落していく」というサバイバル形式で行われます。
参加メンバーは、高橋由伸さん、江川卓さん、中畑清さん、赤星憲広さん、井端弘和さんのプロ野球レジェンド5人と、日本テレビ系野球中継『DRAMATIC BASEBALL』サポーターの亀梨和也さん。さらに3月から公式SNS上で、中山秀征さん、ビビる大木さん、TIM・レッド吉田さん、神無月さん、アンガールズ・山根良顕さん、ティモンディ・高岸宏行さんら18名の野球好き芸能人がトーナメント戦を行い、勝ち抜いたロングアイランド・松原ゆいさん(巨人・松原聖弥選手の兄)を含めた7人が戦いに挑みます。
しかし、一見華やかな企画と思いきや、この放送が「日本テレビにおける巨人戦中継の正念場」とも言われているのです。
意欲的な試みを連発するも批判殺到
実は今年、日本テレビは巨人戦中継で、さまざまな試みを行ってきました。
4月15日の「巨人×中日」では“配球王サバイバルナイター”と題して「解説者たちが次に投げる球種を当てる」という企画を放送。江川卓さん、谷繁元信さん、川上憲伸さん、里崎智也さん、石原慶幸さん、亀梨和也さんが参加しました。
4月20日の「巨人×阪神」では“ベタ惚れナイター”と題してブラックマヨネーズ・小杉竜一さんと清水隆行さんの巨人ブースと、ココリコ・遠藤章造さんと藤川球児さんの阪神ブースに別れた新機軸の二元中継を実施。「攻撃チームのブースから中継することで、それぞれがチーム愛をにぎやかに語る」という演出が見られました。
しかし、“配球王サバイバルナイター”は「出演者全員を画面に映すため試合映像が小さくなってしまう」、“ベタ惚れナイター”は「野球中継が芸人のバラエティになってしまった」などの批判がネット上に続出。「何のために野球中継しているの?」「視聴者は単純に野球を見たいだけ」「真剣に試合をしている選手に失礼では」などの厳しい声が飛んでいました。
今回の“野球脳サバイバルナイターグランドチャンピオンシップ”は、“配球王サバイバルナイター”を発展させたもので、識者ならではの目線から、バッテリーの配球、バッター心理、ベンチの戦略、過去対戦時の伏線などを分析して楽しむ企画ですが、「また批判されるのではないか」と不安視されているのです。