猛暑続きの夏、コンビニではアイスの人気が止まらないが、近年、冷凍ケースの中で一際注目を浴びているのが、果実をそのまま凍らせた「冷凍フルーツ」だ。コンビニジャーナリストの吉岡秀子氏が、冷凍フルーツの売れ行きやトレンドをコンビニ大手4社に聞いた。
* * *
冷凍フルーツの市場が拡大中だ。財務省によると、2020年1~12月の冷凍果実輸入量は、前年比1.6%増の8万トン超、金額ベースで256億8939万円(1kgあたりの平均単価は313.6円)と4年連続で前年を上回った。
特に昨今はコロナの影響で伸びた一面もある。自宅にいる時間が長い分、「買い置きできる」「簡便性が高い」「アレンジ自在」といった冷凍フルーツの価値に多くの人が気づいたからだ。
コンビニでは2013年にセブン-イレブン(以下セブン)が発売してからじわじわとファンを増やし、今では各社がシリーズを揃えるほどに。実際、コンビニの冷凍フルーツはどんなふうに売れているのか。各社のケースを見ていこう。
30~40代の男性顧客が目立つミニストップ
「3年前の発売時に比べると、売り上げは約400%になっています」
と言うのは、ミニストップ グロッサリー日用品商品部の横井健吾氏。驚異的な数字だ。
ミニストップでは2018年から冷凍フルーツの取り扱いを始め、現在、「トップバリュ コスタリカ産ゴールデンパイン」や「トップバリュ 皮ごと食べられるぶどう」など計6種類を展開している。
購買客はチェーンのメイン客層である30~40代の男性が目立つといい、「ヨーグルトに混ぜたり、そのまま召し上がったり。また、チューハイやカクテルと一緒に楽しまれる傾向があります」(横井氏)
中でも、もっとも人気が高い商品は「トップバリュ 4種のベリーミックス」だという。
「アンデスのふもとで採れたブルーベリー、ラズベリー、ストロベリー、ブラックベリーをミックスしており、そのままでもアイスのトッピングなどにも手軽に使用できるのが人気の理由です」(横井氏)