子供の部活動は、同時に親の活動も求められることが多い。試合への送り迎えはもちろん、遠征や合宿時の細かい手配など、部活に関わる諸事は結局、部活動をする子供の親であるところの「部活親」の力に大きく依存して成り立っているのが現実だ。だからこそ、試合の応援にも力が入るというものだが、新型コロナウイルス感染症予防のために「部活親」の間にも、ふだんとは違うトラブルが生まれている。ライターの森鷹久氏がレポートする。
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緊急事態宣言、そしてまん延防止等重点措置が日本各地に発令されている中で東京オリンピックは閉幕した。現在は、2年ぶりの高校野球の甲子園大会が開催中で、選手に陽性者が出たことから出場を辞退するチームがあったものの、連日熱い試合がブラスバンド、生徒や関係者の応援付きで繰り広げられている。しかし、夏休みにあわせて全国各地で開催されるはずだった子供達のスポーツ活動は、新型コロナウイルスのおかげで大幅に縮小され、皆が悔しい思いをしていることも事実である。
せっかくの夏休みだというのに機会を奪われている子供たちよりも悔しがっているのが、子供たちの親だ。そんな「部活親」たちも、コロナにすっかり翻弄されている。
「子供の試合は、感染防止策で1チーム5人までの親、関係者しか観戦できないルールが作られました。交代しながら、みんなが公平に観に行けるのだろうと思っていたんですが、まさかこんなトラブルになるとは」
千葉県在住の会社員・上園勇輝さん(仮名・40代)は、地元のサッカークラブに所属する小学5年生の息子の試合を見に行くのが何よりの楽しみであった。それもそのはず。息子は5年生にも関わらず、6年生に混じって堂々のレギュラーメンバー。6年生のチームエースと二枚看板で、試合に出れば積極的にゴールに向かって攻める姿を何よりも誇らしく感じていたのだ。今夏に開催された大会も、息子は当然スターティングメンバー。上園さんの心は踊った。しかし……。
「観戦人数の制限があったため、まずは試合によく出るレギュラーメンバーの親から、ということになったんです。私も当然そこに入るものだと思っていたら、6年生の親御さんから電話がかかってきて『6年生は夏の大会最後だから』と言われてしまった」(上園さん)
電話の内容は、レギュラーではない6年生の親の観戦のために、上園さんは遠慮して欲しいと釘を刺すものだった。息子が昇格したことで、控えに回った6年生の子供の親が、観戦を希望している。そう思うと複雑だったが、結局受け入れるしかなかったという。ところが、そんな上園さんの了承に不満を唱えたのは、息子と同じ5年生の親だった。
「同級生に準レギュラー的な位置にいる子がいるんです。その子の親が、試合に出る子供の親が観戦できるようにするべきだと激しく抗議してきたんです。私だって同じ思いですが、揉めたくないから涙を飲んで受け入れたのに。それから、親御さん同士のグループチャットが炎上状態になって、その親御さんが『もう5年生の親はボイコットする』と啖呵を切ってしまい、収拾がつかなくなりました」(上園さん)