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青島幸男さん 庶民の政治意識を変えた“超マルチタレント”の心意気

青島幸男さんが登場した過去の『週刊ポスト』の記事を振り返る(時事通信フォト)

青島幸男さんが登場した過去の『週刊ポスト』の記事を振り返る(時事通信フォト)

 1969年の『週刊ポスト』創刊当初から始まった連載『衝撃の告白』。銀幕の大スターや渦中の人物が赤裸々に語った証言はまさに“衝撃”の連続で、『週刊ポスト』の躍進に大きく貢献した。当時、彼らはどんな思いを吐露したのか。週刊ポスト1971年9月17日号に登場したのは青島幸男の記事を振り返る。幅広いジャンルで才能を発揮した青島が自由奔放に語った。

「おれだって、女性関係がないことないよ。(中略)子どもつれてめし食いに行ってるのに、となりに来た女の子と約束ができちゃって、その翌日どっかへ泊まりに行っちゃったりね」

 作詞をすれば『スーダラ節』『明日があるさ』などのヒット曲を連発し、脚本を書けば『シャボン玉ホリデー』という長寿番組を生み、俳優としても『いじわるばあさん』で高視聴率を獲得。“超マルチタレント”の青島幸男は1968年の参院選の全国区に無所属で出馬し、120万票を獲得して初当選。1971年に4年目を迎えていた。

「国会議員になったって、おれは全然かわらないよ。女性関係もそうさ。すぐお嬢さんくどいたり」

 結婚14年目の突然の告白かと思いきや、美千代夫人は浮気を公認していた。

「ええ、よく知っていますよ。くわしくね。だってあの人が得意げに話してくれるんですもの。私その話を聞くのがおもしろくて……」

 同年、青島は物議を醸していた。自民党が財界から多額の政治献金を受け取っているとして、1971年3月29日の参院予算委員会で佐藤栄作首相に「総理は財界の提灯持ちで、男メカケ」と発言。政治資金規正法の改正に曖昧な態度を取る首相に痛烈な皮肉を浴びせた。

「生命に別状あっても、やらなきゃいかん」と覚悟を決めた青島は生命保険1億円を掛け、当日は体にさらしを巻いて、「刺されて生きて帰れないかもしれない」と自宅を出た。無事帰宅すると、150件以上の激励の電話が鳴り響いた。彼は足元を見失っていなかった。

「“佐藤は男メカケ”ぐらいのこと、床屋やフロ屋でいってるのは、いくらだっているよ。おれは、人気者の青島さん、という虚名みたいなもんで議員さんになってるわけだ。(中略)フロ屋の政治意識を国会に持ち込む役割もある」

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