日本最大級の野外音楽フェス「FUJI ROCK FESTIVAL ’21」が、8月20日〜22日に新潟県湯沢町苗場スキー場にて開催された。今年の来場者数は3日間で述べ3万5449人と発表されている。
例年に比べて来場者数を大幅に減らし、入場時の検温を実施するなどの感染防止対策が取られたが、コロナ禍での開催には多数の批判が寄せられた。良くも悪くも開催前から注目を集めたフジロックで話題になった、コロナにまつわる出来事をまとめた。
◆PCR陽性でアーティストの出演キャンセルが続出
川谷絵音がギター&ボーカルを務めるロックバンドindigo la Endをはじめ、事前のPCR検査で陽性が判明し、出演キャンセルとなるアーティストが出た。そのほか、アーティスト自身が直前になって出演を辞退するケースも複数あった。トークで出演する予定だったジャーナリストの津田大介氏は、〈参加者・出演者の一人ひとりが自分ごととして今回の事態を鑑み判断するきっかけを、自分の「進退」を通じて提供しなければ、ジャーナリスト/アクティビストとして欺瞞になると考えました〉(8月19日のツイートより)と辞退の理由を説明している。
◆THA BLUE HERB、政府に休業補償を求める
ヒップホップグループ・THA BLUE HERBのBOSS THE MCは、「この期に及んで大儲けしようなんて思っている人はいない。ギリギリ生活かかっている人もたくさんいる」と音楽業界の窮状をステージ上で訴えた。「フェスの中止、ライブハウスとかクラブとかに休業を求めるなら、補償して支える枠組みを作らないと、破綻の方向に進んでいく」と政府への要望を語り、「お願いします。考えてほしいと思います。補償する仕組みを」と深々と頭を下げた。また、観客には感染防止対策をあらためて呼びかけており、真摯なメッセージひとつひとつに拍手が送られた。
◆中止フェスにエール送ったサンボマスターに称賛の声
ロックバンドのサンボマスターは、「RISING SUN ROCK FESTIVAL」や「京都大作戦」、「氣志團万博」など、これまで中止になった音楽フェスのグッズをステージ上で掲げた。ボーカル&ギターの山口隆は、「『生きていてくれてありがとう』って、いろんなフェスや君に花束を送っていいですか」と熱く呼びかけ、人気楽曲『花束』のイントロで「ロックンロールは死にません!」と宣言した。
イベントの中止・延期が相次ぐ音楽業界にエールを送ったMCに対して、ネット上では〈号泣した〉〈熱い思いに感動〉と称賛の声が続出した。各フェスの関係者からも感謝が寄せられており、氣志團の綾小路翔は〈本当にありがとう、サンボマスター!同じ時代に生きててくれてありがとう!〉とツイートしている。