国内

「明かりが見えない」ことを露呈した菅首相と二階幹事長の言葉

(写真/時事通信フォト)

度々「明かり」という言葉を使う菅義偉首相だが…(写真/時事通信フォト)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、コロナ対策が後手に回りつつも、自民党総裁選挙に前向きな菅義偉首相について。

 * * *
 あんな力なく淡々とした口調で「明かりははっきり見え始めています」と言われても、菅首相には、どこに明かりが見え始めているのかと首を傾げたくなるだけだ。緊急事態宣言の対象地域は北海道、宮城、岐阜、愛知、三重、滋賀、岡山そして広島の8都道府県にまで広がった。これで宣言の対象地域は21都道府県になり、まん延防止等重点措置の対象地域は12県になった。

 首相の目に見えている“明かり”は、どんなものだろう。日々の対策で疲労困憊なのは分かるが、ぼんやりしたような眠たそうな生気のない目で言われても、「見えているものは本当に明かりなのか?」と問いたくなってくる。日々見聞きしている情報やニュースからは、残念ながらそんな兆しはまるで見えてこないのだ。

 8月25日の会見で菅首相は、「これまでに経験のない感染拡大が継続しています」、「子供たちの感染が増えています」とも言っている。それなのに明かりが見え始めているとは。ちょうどこの日の昼、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が、衆院厚生労働委員会の閉会中審査で「私ども専門家の分析よりは、時々やや楽観的な状況分析をされたのではないか」と苦言を呈していたが、尾身会長の言葉通り、まさに楽観的な見方だろう。

 思い返せば3月にも、緊急事態宣言解除の会見や定期党大会で「必ず先に明かりが見えてきます」と“明かり”という言葉を使った菅首相。この時は声に張りがあって力強く、目も見開いて前をしっかり向いていたから「近いうちに少しは先が見えてくるのかもとと楽観視させるところもあった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン