芸能

志村けんさん「バカ殿のままタバコに火をつける」忘れられない姿

愛煙家でもあった志村けんさん(時事通信フォト)

愛煙家でもあった志村けんさん(時事通信フォト)

 今はテレビでスターがタバコを吸う姿を見せることなどめっきり減ったが、かつてのスターたちは堂々とタバコを吸っていた。お笑い芸人の乾き亭げそ太郎が、志村けんさん(享年70)とタバコにまつわる思い出を振り返る。

 * * *
 麻布十番の喫茶店『ぱぽたーじゅ』でお待ちしていると、キャップをかぶり、セカンドバッグを脇に抱えた志村さんが入ってきました。「うわっ、本物の志村けんだ!」と心の中で叫びましたよ。

〈志村けんが新型コロナウイルス感染症に伴う肺炎で亡くなってから、はや1年半。1994年から7年間にわたって、志村の運転手兼付き人を務めた乾き亭げそ太郎は、志村と初めて会ったときのことをこう振り返る〉

 あまりにも緊張していたので、ほとんど記憶がないのですが、30分くらい「コントの勉強をしたいんです」とお話しした後、志村さんにボソッと「お前、タバコは吸うのか?」と聞かれました。「吸います」と答えると、「じゃあ、これやるよ」と言って、志村さんが自分のタバコに火をつけたばかりの百円ライターを僕にくれた。それが“採用”の意味でした。

「笑いは正解のない世界だから、俺から教えることは何もないぞ」「『師匠』と呼ばれるのは恥ずかしいから、『さん』でいいよ」と言われたことも覚えています。

〈ヘビースモーカーだった志村に、タイミングよくタバコを差し出すのも、付き人の大切な仕事だった〉

 最初の頃はタイミングがわからずに苦労しました。コント収録の間、ディレクターとセットを見ながら、志村さんが不意にこちらに右手を出して“裏ピース”をする。それがタバコの合図で、僕がよそ見をしていたら怒られる。

「目の前にいる俺一人の気持ちがわからないで、テレビの向こう側にいる何十万の人たちの気持ちがわかるか?」とよくお説教されました。

 志村さんのためにタバコを切らさないよう、常に3カートンは車に積み込んでいました。コントの収録がある日は本数が増え、3~4箱は空けていましたね。スタッフとのネタ会議や収録の合間に吸い、集中しているときはひと口吸っただけで消すこともありました。

関連記事

トピックス

精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン