8月27日に発表されたスズキの新型車「ワゴンRスマイル」が、ライバル車となるダイハツの「ムーヴキャンバス」とどんな戦いを見せるのか、早くも注目を集めている。
その前にまず、両社の最近の“ガチンコ対決”を振り返ろう。昨年1月、スズキは2代目となる軽クロスオーバーSUVの「ハスラー」を発売。一方、ダイハツは約半年遅れで競合車となる「タフト」を投入した。
両車の今年1月から7月までの累計販売台数を見ると、ハスラーが5万3856台、タフトが3万7743台(全国軽自動車協会連合会調べ)とハスラーに軍配が上がる。
ただ、軽クロスオーバーSUVというジャンルを開拓し、大ヒットした先代で多くの代替え需要を持つに至ったハスラーだけに、そこがないタフトとの比較は多少割り引いて考える必要がありそうだ。
「ワゴンR」vs「ムーヴ」のライバル対決
両社が長年、ライバル車として鎬を削ってきたクルマといえば、スズキの「ワゴンR」(1993年デビュー)とダイハツの「ムーヴ」(1995年デビュー)がある。
だが、ハイトワゴンの両雄はワゴンRとムーヴだったものの、近年は、より車高のあるスーパーハイトワゴンの隆盛で、ホンダの「N-BOⅩ」を筆頭に、スズキなら「スペーシア」、ダイハツなら「タント」といったクルマのほうが何かと話題が多かった。
そんな中、やはり今年1月から7月までの累計販売台数で比較すると、ワゴンRが3万3060台なのに対し、ムーヴは6万6740台(同前)とダブルスコアの差がある。ともに6代目だが、ワゴンRは2017年に現行車を投入しているのに比べ、ムーヴは2014年と、すでにいつフルモデルチェンジをしてもおかしくない。
それでもムーヴが大きくリードしているのは少々驚きだが、今年1月から6月までの上半期で見てみると、ムーヴの販売台数5万7761台の中で、3万5799台(同前)と半分以上を稼いだ派生車がある。それがムーヴキャンバス(2016年9月発売)だ。