無数のチャンネルが視聴者獲得のため、しのぎを削っているYouTube界隈。そのなかでも人気が高いジャンルのひとつが、地上波では放送できない裏社会ネタやアウトローコンテンツに切り込むチャンネルだ。
そんなジャンルのなかで、ひときわ異彩を放つのが、ジャーナリスト・文筆家の丸山ゴンザレス氏による『丸山ゴンザレスの裏社会ジャーニー』だ。2020年2月に1本目の動画が公開され、2021年8月末時点で60万人弱のチャンネル登録者がいる。
同チャンネルの再生リストを一瞥すると、「彫り師シリーズ」「大麻シリーズ」「闇金業者の闇シリーズ」「大阪・西成シリーズ」「半グレシリーズ」「右翼シリーズ」など、気になるもののテレビや新聞では、なかなか目にすることのないキーワードが並んでいる。
“丸ゴンさん”の愛称で親しまれる丸山氏は、不祥事発覚を機に放送中止となった人気番組『クレイジージャーニー』(TBS系列)の出演で一気に知名度を高めた人物。世界各国のスラム街や危険地帯を訪れ、貧困や薬物戦争のリアルな姿を体当たりで伝える様子に、多くの視聴者が釘付けとなった。また、現在公開中の映画『孤狼の血 LEVEL2』(監督・白石和彌氏)に“隠れ出演”していることでも話題だ。
冷やかしや再生回数目当てではない安心感
丸山氏のYouTubeチャンネルがなぜ支持を集めているのか。ファンの声からその魅力を探った。丸山氏のトークイベントにも足を運んだことがあるというファンの男性・Aさん(30代)は、こう語る。
「丸ゴンさんのファンになったきっかけは、高校生の頃『図解 裏社会のカラクリ』(彩図社)という本を読んだことです。そこから著作に関心を持って、『クレイジージャーニー』も楽しく拝見させてもらいました。番組のDVDも全巻揃えています。YouTubeチャンネルの魅力は、『裏社会』について、“解説型教養バラエティ”という立ち位置で、まじめに問題と向き合っているところです。冷やかしで面白おかしく取り上げたり、再生回数目当てで消費したりしていないところが良いです。
最近では工藤会トップの死刑判決が出た直後にも、コメントを寄せていて、そのスピード感も魅力です。裏社会系のYouTubeというと、どうしても迷惑系YouTuberや“ワル自慢”的なコンテンツが目立ちがちですが、丸ゴンさんのチャンネルはプロデューサーの草下シンヤさんとともに、しっかりと取材をされているので、他とは一線を画するチャンネルだと思います」(Aさん)