2017年に『最優秀バッテリー賞』を受賞した息のあったコンビが復活した。9月1日のヤクルト戦で、巨人の菅野智之が8回無失点、1安打の好投で4月23日以来の白星を手にした。この試合で、あわやノーヒット・ノーランの快挙をアシストしたのは2か月ぶりにバッテリーを組んだ小林誠司だ。後半戦に入ってから小林の存在感は増している。
前半戦は85試合中24試合の出場に留まった小林だが、東京五輪閉幕後の後半戦は16試合中13試合に出場(記録は9月1日現在。以下同)。スタメンは3試合しかないが、終盤で大城卓三に代わってマスクを被る『抑え捕手』としての役割を果たしている。途中出場10試合のうち、大城との直接交代は5試合にも上る。プロ野球担当記者が話す。
「セオリーでは、勝っている試合では捕手を変えない。捕手は1試合を考えて配球を組むし、無理に流れを変えたくないですからね。そのリスクを背負ってまで、原辰徳監督は小林を起用している。信頼度はかなり高いですよ。当初は抑えのビエイラと呼吸の合わない部分も見受けられました。ストレートを中心に組み立てたいビエイラと変化球で打ち取りたい小林に若干の溝を感じましたが、最近は息も合うようになってきましたね」(以下同)
ビエイラは後半戦9試合に登板しているが、8試合は小林とバッテリーを組み、連続無失点記録を伸ばしている。
「小林は昨シーズンからトレードの噂が絶えなかったが、炭谷銀仁朗が楽天に移籍したことで、野球に落ち着ける環境ができたと思います。投手の良さを引き出す配球、強肩と守備面は、原監督の評価も非常に高い。打率がせめて2割5分に乗るようになれば、もっとスタメンも増えると思います」
優勝を争う他球団の2番手捕手はどうなっているのか。阪神は梅野隆太郎が101試合中98試合でスタメンマスクを被り、打率2割4分6厘ながらも得点圏では3割9分1厘とリーグ2位の成績を残し、勝負強い打撃でもチームに貢献している。ただ、控え捕手として、坂本誠志郎が今季3試合に先発しているが、1勝2敗と負け越し。しかも、7失点、7失点、6失点と投手陣を支えきれていない。打率も19打数3安打の1割5分8厘と打てていない。