9月2日、サッカーW杯最終予選で日本はオマーンとホームで対戦し、0対1で敗れた。地上波ではテレビ朝日で中継され、松木安太郎氏と内田篤人氏が解説を務めた。この試合で、男子サッカーの日本代表戦を地上波では今年初めて解説した松木氏に、ある変化が見られたという。ライターで松木安太郎研究家の岡野誠氏が、松木氏の口癖である「いいボールだ!」発言に着目し、その“精度”を検証した。
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かつて松木氏が「いいボールだ!」と叫ぶと、視聴者は「あまりいいボールじゃないだろ!」とツッコミを入れていた。しかし、日本が準優勝した2019年のアジア杯では全7試合で17回「いいボールだ!」と発し、9回は本当に「いいボール」だった。「いいボールではない」のは3回。「どちらか判断しかねるボール」が5回あった。つまり、9勝3敗5分で勝率7割5分と高確率で本当に「いいボール」だった。
このように「いいボール」を勝利、「いいボールではない」を敗戦、「どちらか判断しかねるボール」を引き分けと表し、直近2年の男子サッカー日本代表戦における松木安太郎氏の「いいボール」を判定してみよう(※日付は全て日本時間。蹴った直後の「いいボール」に限る。手元の集計による)。
2019年10月10日 W杯2次予選 モンゴル戦
前半10分・伊東純也のスルーパス → ○ 中島翔哉に通る
2019年10月15日 W杯2次予選 タジキスタン戦
前半47分・中島翔哉のコーナーキック(CK) → × 相手キーパー(GK)パンチング
後半5分・中盤からゴール前に数人でパス回し → ○ 速かったため、誰に「いいボールだ」と言ったのか不明だが、本当に「いいボール」の連続だった
2020年1月10日 AFC U-23選手権 サウジアラビア戦
前半11分・橋岡大樹のクロス → △ 惜しくも合わず
2020年1月15日 AFC U-23選手権 カタール戦
前半13分・田中駿汰のスルーパス → ○ 旗手怜央に通ってシュートもオフサイド判定
前半21分・相馬勇紀のクロス → ○ 杉岡大暉がボレーシュートも枠
2021年3月29日 U-24代表アルゼンチン戦(BS朝日で解説)
前半9分・久保建英のスルーパス → ○ 食野亮太郎に通る
後半20分・久保建英のフリーキック(FK)→ △ 惜しくも合わず