芸能

高田文夫 古舘伊知郎著書『MC論』の鶴瓶「実家感」分析に納得

「実家感」を醸し出すビリケンMC

「実家感」を醸し出すビリケンMC

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、笑福亭鶴瓶のドキュメンタリー映画を観て感じた「芸」の根本についてお届けする。

 * * *
 こんな御時世ですが我々娯楽屋(エンタメ屋)にとって劇場、映画館、寄席へ出向くというのは血がさわぐ。

 昨日は渋谷パルコ劇場。宮藤官九郎脚本・演出のマジロックオペラ『愛が世界を救います(ただし屁が出ます)』へ行って屁を浴びてきた。『あまちゃん』以来のタッグを組む主演ののんちゃんもギターを弾きならし歌いまくるので久々のじぇじぇじぇだった。この芝居、渋谷パルコが終わったら大阪、仙台へも行く予定だとか。もし行ったらよろしくネ。

 客席で清水ミチコとバッタリ。

「なんか生で舞台見るのって久しぶりだよね。やっぱいいわ」

「俺、昨日は有楽町で鶴瓶のドキュメンタリー映画見て来たよ。『バケモン』っていって17年間落語会を中心に非日常の鶴瓶を追いかけた力作。コロナで苦しむ全国の映画館を支援してんのよ。映画を日本中の映画館にそっくり寄付して売り上げの全額が映画館のものになるらしいよ。その前の日はガースー(菅総理。72歳。私と同学年。念の為)のドキュメンタリー。政治バラエティ映画と銘打たれた『パンケーキを毒見する』っていうんだ」

「有楽町だ渋谷だって毎日出掛けてんのあんた!? お前はギャルか」と嬉しくもするどいつっこみ。

「2本打ってるからって調子に乗るなよ」
「ハイ」

 おとなしく頭を下げる。なんせ30年近く一緒にラジオで喋ってる相方でもあるから何も言えない。うちのカミさんよりもきびしい。

 帰りに本屋をのぞくとエンタメ本のラッシュ。昭和のレジェンドから令和までの司会者(仕切り屋)を分析した古舘伊知郎の『MC論』(ワニブックス)。この本によると鶴瓶は“「実家感」を醸し出すビリケンMCは日本一の雑談王”と書いている。映画を見てても全国どこの楽屋でもいろんな人が「ツルベちゃん」と寄ってくる。「芸」は人に愛されなくては駄目なんだなと思う。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン