自分でもよく見るYouTubeだが、人が何を見ているのかは意外に知らないもの。気になる知識人たちは、YouTubeで何を見ているのか。橋爪大三郎氏、手嶋龍一氏、森永卓郎氏、薬丸岳氏、そして「週刊ポスト」では生前最後の取材となった高橋三千綱氏に聞いた。
(※チャンネル情報は2021年8月20日時点)
【東京工業大学名誉教授 橋爪大三郎(72)】
情報過多の時代にお勧めしたいのが『未来に残したい授業』だという。
「主婦でありライターの代麻理子さんが、猪瀬直樹さんや乙武洋匡さんらをゲストに招いて、素人目線の素朴な疑問を問いかけるという異色のチャンネルです。私も過去に出演したことがありますが、哲学、科学、政治、家庭の問題……幅広いテーマが扱われています。最近では10代の視聴者も増えているそうです」(橋爪氏)
『未来に残したい授業』
開設年月/2021年1月
登録者数/820人
公開動画本数/36本
3児の母である代さんが、「貧困とは何か」「対話とは何か」といった問いをテーマに、専門家に質問を投げかけ、わかりやすい言葉で噛み砕いて解説していく。
【外交ジャーナリスト 手嶋龍一(72)】
元NHKワシントン支局長の手嶋氏は「テレビよりもYouTubeのほうが面白い」と話す。
「日本のテレビのクオリティが昔と比べて落ちてきているのに対して、YouTubeでやっているBBCのチャンネルなどは切り口が新しくて見る価値がある。よく観るのは、Dave Allenというイギリスのコメディアンの番組です。政治家を完膚なきまでに批判する人でね。こういう反権力側の人を起用しているところが日本のテレビとは全然違う」(手嶋氏)
『BBC News』
開設年月/2006年4月
登録者数/1060万人
公開動画本数/1万4278本
日本では深く掘り下げられないような国際問題に関するニュースや映像に触れることができる。