ライフ

デルタ株で広がる子供のコロナ感染 ひとり親が離職を余儀なくされる例も

教室もソーシャルディスタンスで(イメージ、ABACA PRESS/時事通信フォト)

教室もソーシャルディスタンスで(イメージ、ABACA PRESS/時事通信フォト)

 新型コロナウイルスは子供には感染しづらいと言われたのは今や過去のこと。現在の第5波で主流となっているデルタ株は、子供にも次々と感染が広がっている。重症化するケースは少ないと言われているが、感染した子供を療養させるにあたり、各家庭は多くの困難に直面させられている。ライターの宮添優氏が、感染した子供を持つ親が直面している危機についてレポートする。

 * * *
 新型コロナウイウルスの変異株「デルタ株」の感染拡大が止まらない。これまでは「感染しても無症状」「影響は少ない」とされてきた子供が感染し、軽いとは言い難いような症状に苦しむと言う事例が相次いでいる。コロナ禍の影響による授業などの遅れを取り戻すべく、9月を待たずに授業を再開する予定だった学校でも続々延期が決定されるなど、新学期が始まるタイミングの中で、親たちからは悲鳴のような声も聞こえてくる。

「小5の娘が所属しているスポーツクラブで、同級生に濃厚接触者が出ました。ついに、と思いましたが、すぐ別のお子さんが、別ルートで感染したと連絡が入り、8月いっぱい、練習は全て中止になりました」

 千葉県在住の会社員・森田茜さん(仮名・40代)は、夫と小5の娘、小4の息子の4人暮らし。不幸中の幸いというべきか、これまでコロナに感染したことはなかった。だが、子供達への感染が「噂レベル」で広まってきた直後、同じクラブの同級生に感染者が出て、その翌日には顧問教師と地元保健所から電話が入った。

「娘も感染した子の濃厚接触者に当たるため検査したところ、陽性と判明しました。家の中でも手洗いを欠かさず、夫も私も週の半分以上がリモートワーク。夫婦の周囲には感染者はいないし、子供同士で感染したんだろうという話になりました」(森田さん)

 いつの頃からコロナは「子供に関係ない」と信じ込んでいたのか定かではないが、子供は大丈夫、という過信があったと話す森田さん。夫は職域接種で、一回目のワクチンを接種していたものの、森田さん本人は自治体の接種を待っている状態だった。感染した子供の症状は軽く、微熱が出る程度。病院やホテルへ移動しての療養は無理だと保健所に言われ、最初はほっと安堵したものの、それは地獄への入り口だったと気がつくのは、もっと後のことだった。

「子供をできるだけ部屋から出さないよう、病院や自治体の方から指示を受けたのですが、子供には『コロナにかかった』なんて言えず、なぜ部屋から出られないのか、ママとパパの様子がおかしいと泣き出し、私たちもどうしていいかわかりませんでした。私も夫も息子も陰性でしたが、陽性の娘を一人きりで放ってはおけず、ワクチン未接種の恐怖もありましたが、感染覚悟で、娘と向き合いました」(森田さん)

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン