ライフ

64才女性記者「下の世代に教えられることは何もない」の意見に納得

2F(二階氏)はどうなる?(時事通信フォト)

二階俊博幹事長を検温するお役を授かったというオバ記者(時事通信フォト)

 人は次世代のことを考えて、よりよい未来を作るために頑張らなければならない──そう頭でわかっていても、実践できている人はどれほどいるのだろうか……。『女性セブン』の名物“アラ還ライター”、オバ記者こと野原広子が、「親も政治家も……とかく先人たちは一皮むけば目先の欲得ばっか?」をテーマに自身の思いを綴る。

 * * *
 前から疑問に思っていて、いまだに解決しないことがある。それは、人は次世代のことをどのくらいリアルに考えられるのか、ということ。

 たとえば家を建て替えるとき、親子ローンを組んだりする人がけっこういるじゃない。あれなんか、どうなのよ。

 経済力のない30代夫婦に、退職金が入った60過ぎの親が話を持ちかけて建て替え計画が始まって、最初はいいのよ。でも、親子それぞれの希望や思いがだんだんズレてきて、最後は抜き差しならない親子げんかに──というケースを実は何組も見てきたの。

「自分たちはいいから、あなたたちの住みやすいようにすればいい」と鷹揚に構えていた親たちが、話が具体的に進むにつれ、「私が長年使ってきたあのたんす、リビングに置けないかしら?」と母親が言い出し、「庭道具も入れときたいから、ガレージをもっと大きくしろ」と父親が要求し始める。そのたびに若夫婦のローンが膨らみ、夢や希望が萎んでいく。

 それでも、資金援助をしてくれるんだからと、その都度、若夫婦は親の要求を呑み込んでいくんだけど、親の言葉の端々に老後の世話も期待されていることが滲んでくるにいたって、「……話、違くね?」となるわけ。

 そんなトラブルを目にするたび、人は誰もきれいごとを並べてみても、最後はやっぱり私欲や保身を越えることができないんだな、と思うわけ。

 で、最近思うのは、そうしたことは国家レベルでも起きているんじゃないかということ。

 手当たり次第の土地開発にしてもそうだし、原発や地球温暖化の問題もそう。国の借金も、省庁の人事もそう。一見、国の先々を考えて語っているように見えて、フタを開けてみれば、目先の欲得ばっか。年長者は若手に助言しているように見えて、その実、マウンティングに必死だったりする。

 こういうと「いまの政治家は質が低下している!」と言う人もいるけど、世間の大概の人は私と同じように、「いまの政治家は先のことを考える能力がないのでは……」と思って絶望するのよ。

 自民党の二階俊博幹事長は82才。元総理の麻生太郎氏は80才。3年前から私は衆議院会館でアルバイトをしていて、おふたりを何度もお見かけしている。最近もあるパーティー会場の受付で、二階さんを検温する栄誉(?)を授かっちゃった。

「検温をお願いします」と言うと、グルリと囲んでいるお付きの人の輪から歩み出て、二階さんが検温器の前に出てきてくれたの。それはそれは眼光鋭く、並の迫力じゃない。かと思えば、別のパーティーで語ったスピーチは感動もので、「働く母親の姿を見て育った」というテレビでは聞けない内容が胸にズシンときた。個人的にいうと、けっこうタイプ(笑い)。いや、ほんとよ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン